わたしたちが何気なく使っている電気は、遠くの発電所で作られ、長い距離を送られてきています。 電気をいつでも快適に使えるように、電力会社では、さまざまな調整をしているって知っていますか?
その3「周波数を一定に保つ」では、品質の良い電気を安定して送るために必要な3つのカギのうち、周波数を一定に保つことについて詳しく紹介します。
わたしたちが使う電気は、電圧のプラスとマイナスが交互に入れ替わって、波のように流れてくる「交流」。
「周波数」とは、この波が1秒間に何回起こるかのことで、発電所の発電機の回転数と同じです。単位はヘルツ(Hz)。
周波数を一定に保てなくなると、最悪の場合、停電になってしまう恐れがあります。
わたしたちが使う電気の大きさは常に変動しています。
使う電気が大きくなった場合、発電機を回す力がそのままだと、回転速度が遅くなって回転数が減り、周波数が下がります。逆の場合には回転数が増え、周波数が上がります。
このように、使う電気の大きさによって発電機の回転数が変わり、周波数も変動してしまうのです。
周波数を一定に保つには、使う電気の大きさが変わっても、発電機の回転数は変わらないようにする必要があります。
そのため発電所では、使う電気の大きさと同じになるよう、作る電気の大きさを素早く調整しています。
「火力発電」と「水力発電」は、燃料や水の量を調節して、作る電気の大きさを素早く変えられる発電方法です。
そのため、常に変動している使う電気の大きさに合わせて、作る電気の大きさを調整して、周波数を一定に保つ役割をしています。
近年「太陽光発電」や「風力発電」が増えていますが、これらはお天気や風に頼った発電方法なので、実は安定して電気を作ることができません。
環境に優しい発電方法を使うことはとても大切ですが、周波数を一定に保つためには「火力発電」や「水力発電」の役割も重要なのです。