電力中央研究所は、科学技術研究を通じて電気事業と社会に貢献する電気事業共同の研究機関として、1951年に創設され、以来70年以上に亘り、わが国の経済社会の発展を支える電気事業に、研究開発の面から寄与してまいりました。
わが国のエネルギー政策はS+3E(安全性、安定供給、環境適合性、経済性)を基本とし、長期的なエネルギー安定供給確保と脱炭素化の両立が重要課題となっております。また、AIをはじめとするデジタル技術の進化が社会に急激な変化をもたらしています。こうした変化の時代において、複雑化する課題を克服していくためには多様な「知の結集」が鍵となります。
当所は、自然科学から社会科学まで幅広い専門性を有する研究員による分野横断的な研究や、広く国内外の関係機関との連携により、直面する課題や中長期の課題の解決にチャレンジしています。
創設者である松永安左エ門の理念「産業研究は知徳の練磨であり、もって社会に貢献すべきである。」を受け継ぎ、物事の理の究明に誠実に取り組むとともに、電気事業とその先にある社会に常に思いを致し、研究成果を創出し、社会実装に繋げてまいります。
電力中央研究所 理事長
平岩 芳朗
電力中央研究所は「サステナブルなエネルギーで支える安全で豊かな社会」を2050年の日本の目指す姿の一つとして定め、その実現に必要となる7つの目標に向けた取り組みを進めています。脱炭素技術の開発に加え、エネルギーの新しい利用のあり方や供給の強靭化に関わる研究を推進し、得られた知見を社会実装することで電気事業や社会の発展に貢献していきます。
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水素やアンモニア等の製造・輸送・供給・燃焼技術や、CCS技術、カーボンリサイクル技術等を開発します。
リスク評価技術の開発と現場への定着促進や、原子力の設備利用率の向上、次期原子炉導入、バックエンド等に必要な技術的・社会的課題解決に資する研究を推進します。
自然変動・非同期電源の大量導入に向けた、電力系統の強化や、運用の広域化、設備の高経年化、サイバーセキュリティ等に対応する技術を開発します。
DER等を活用する新たな需要地系統技術に加えて、事業者間の多様な電力取引や、セクターカップリングを可能とする、地域エネルギーグリッドに係る技術を開発します。
カーボンニュートラルに向けて不可欠な、産業・運輸・家庭等の需要サイドの電化促進と、電化が困難な分野に向けた、エネルギー転換に必要な技術を開発します。
自然災害に対する効果的な防災・減災・復旧技術を開発します。高経年設備や新たに導入される機器に対して、低コストかつ効果的なアセットマネジメント手法を開発します。
再生可能エネルギーの主力電源化に向けて、各電源設備の計画・設計・運用段階で必要となる、合理的な調査・解析技術を開発します。