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糖尿病は、血液中の糖が持続的に過剰で尿中の糖濃度が一定値以上になる病気で、免疫機能の異常により一般に若いうちに発症するI型と、成人などに多く見られ生活習慣病として知られるII型に分類されます。
I型糖尿病は、体内の免疫細胞が活性酸素を出して膵臓を攻撃し、インスリンがほとんど分泌されなくなるために起こります。一方、II型糖尿病は、食べすぎなどによる糖分の供給過剰が原因で、膵臓から分泌されるインスリンの機能が低下して血糖値が上昇する病気です。血糖値の高い状態が維持されると、糖が反応性の高い物質(ラジカル*)に変化して膵臓などの臓器を攻撃し、やがてインスリンが分泌されなくなることにより糖尿病が悪化していきます。インスリンは、血液中の糖を肝臓や筋肉中に取り込み、糖濃度を一定に保つ働きをするホルモンであり、これがないと血液は高血糖状態のままになってしまいます。
日本における糖尿病患者のうち、II型糖尿病患者は90%以上を占めると言われています。当センターでは、低線量放射線が活性酸素を消去する抗酸化物質を誘導することなどに着目し、糖尿病の発症抑制や症状改善に応用できないか研究を行っています。