研究のねらい(生物影響)
放射線の影響は線量と線量率によって大きく異なります。放射線安全研究センターでは、低線量・低線量率の放射線が生物におよぼす影響をヒト・細胞・分子の各レベルで解析し、その機構解明を目指します。
【研究全体のねらい】
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【疫学研究のねらい】
ヒトの健康におよぼす線量と線量率の影響を理解するため、疫学調査を進めています。
10 mSv/年程度以下の低線量率では、被ばくの総線量が600 mSvに達しても発がんのリスクが高まることはありませんでした。
さらに詳細な疫学調査を継続し、信頼性を高めます。
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【機構研究のねらい】
疫学調査でみられた現象の機構解明を図ります。その機構としては、低線量率での長期被ばくでは影響が蓄積しない可能性が考えられます。
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放射線を被ばくしてから次の被ばくまでに時間がある場合には、細胞レベルや組織レベルでの修復により損傷の蓄積が回避されるか?
遺伝子操作マウス等を用いて、幹細胞の代謝速度(ターンオーバー)に与える放射線の影響を調べ、これにより幹細胞への放射線影響の蓄積の有無を明らかにします。