当研究所は、国立環境研究所、福島県環境創造センター、日本原子力研究開発機構、農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)、福島大学、東京大学大学院理学系研究科と共同で、福島県内の河川において採集した水生昆虫(ヒゲナガカワトビケラ)の放射性セシウム濃度を個体ごとに測定し、他の個体に比べ比較的高い濃度を示す個体から放射性セシウム粒子(セシウムボール※1 :大きさ0.1-10µm程度のガラス状の不溶性粒子で、放射性セシウムを含む)を発見しました。また、ヒゲナガカワトビケラの餌となる藻類や河川流下物からも放射性セシウム粒子を発見しました。
この結果から、放射性セシウム粒子の生物や食物網への取り込みが初めて明らかになりました。放射性セシウム粒子は不溶性であり、餌として体内に入っても、筋肉などの体組織に取り込まれるリスクはほとんどないと考えられます。
今後、渓流中でのセシウムボールを含めた放射性セシウムの動態が明らかになることで、水生昆虫やそれを餌とする魚の放射性セシウム濃度の将来予測の精度が向上することが期待されます。
この成果は、令和4年5月20日付でオンライン学術誌「PLOS ONE」に掲載されました。
詳細な情報は 添付資料 をご参照下さい。
以 上