当研究所は、今般、東京大学、金沢大学、筑波大学、高輝度光科学研究センター、日本原子力研究開発機構、高エネルギー加速器研究機構との連名で標記プレスリリースを実施しました。
今回プレスリリースした研究成果のポイントは以下のとおりです。
- 放射光を用いた先端的なX線分析により、福島第一原発事故由来の不溶性セシウム粒子(CsMP)の内部構造・空隙率・元素比を解明しました。
- 過去の研究に比して5〜30倍の数のCsMPを環境試料から粒子を水に懸濁させて単離する手法で効率的に回収し先端X線分析に供することで、発生源である原子炉内(1号機および2、3号機)での生成過程や、外部環境への放出過程を解明し、1号機からは球体粒子と不定形粒子、2号機からは微小粒子が環境中に放出されたと推定しました。
- 多数のCsMPを調べることで得られたCsMPの発生過程の系統的な理解や環境中での分布状態は、放射性セシウムの環境中での移行挙動予測の基礎情報となる。また、CsMPの詳細な組成や物性評価は、今後の我が国の原発の安全な廃炉作業の推進にも貢献します。
本研究成果に関する論文が英国科学誌「Scientific Reports」オンライン版に7月21日付で掲載されました。
論文名:Characterization of two types of cesium-bearing microparticles emitted
from the Fukushima accident via multiple synchrotron radiation analyses
詳細な情報は 添付資料 をご参照下さい。
以 上