電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Y10027

タイトル(和文)

地球温暖化対策としての情報提供的な規制手法の有効性-東京都温暖化対策計画書制度の事例分析-

タイトル(英文)

Effectiveness of regulation as a climate policy instrument: Case of informational/educational approach by Tokyo Metropolitan Government

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

省エネ推進に向けて、省エネ法をはじめとする規制的措置をより効果的なものに改善していく必要がある。本稿では、情報提供的なアプローチの規制手法が、省エネバリア、とりわけ情報不足・能力不足のバリアの解消に有効と考え、東京都の計画書制度でその事例分析を行った。その結果、少なくとも業務部門においては、きめ細かな情報提供・アドバイスが省エネ余地の掘り起こしに有効であることが明らかになった。計画書制度において、都は綿密な実態調査や外部専門家の活用を通じて省エネ余地や効果的な対策についての十分な情報を取得し、多くの事業者が実施すべき効果的な対策メニューの提供や、多数の事業所への指導・助言を行った。これが対策レベルの低い事業所の底上げにつながったと言える。計画書制度の設計と運用に要した委託予算と職員数は、年平均にしてそれぞれ約6,000万円/年と5人/年であり、決して大きい行政費用であるとは言えない。計画書制度の経験を踏まえると、省エネ法の情報提供やアドバイスの機能を強化することによって、実効性を向上させることが可能と考えられる。例えば、現在の判断基準より具体的で詳しい対策リストの提供、運用対策に関する計画書の提出等が挙げられる。

概要 (英文)

In order to achieve climate sustainability, there is an urgent need to reduce greenhouse gas emissions by increasing energy efficiency in industry and service sectors. The purpose of this paper is to assess the effectiveness of regulatory instrument to overcome market barriers to energy efficiency by examining a case of climate mitigation program implemented by Tokyo Metropolitan Government from 2005 to 2009. The program is a good example of informational/educational approach of regulation, since the focus of the program was to provide detailed guidelines on emission reductions and extensive consultation over Climate Mitigation Reports which all regulated firms must submit. We first make detailed accounts on the history and implementation process of the program, and then analyze: information requirements for the government to provide effective advice-giving; effectiveness of the informational approach to promote energy efficiency activities; governmental costs to design and implement the program; and cost-effectiveness of the program when transaction costs are included. We also discuss lessons of the program and implications for improving Energy Efficiency Law of Japan.

報告書年度

2010

発行年月

2011/06

報告者

担当氏名所属

木村 宰

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

野田 冬彦

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

西尾 健一郎

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

若林 雅代

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

キーワード

和文英文
地球温暖化対策 climate policy
規制的手法 regulatory instrument
情報提供的アプローチ informational approach
東京都 Tokyo Metropolitan Government
省エネルギー法 Energy Conservation Law
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