電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Y08045

タイトル(和文)

産業部門における省エネルギーの障壁-ボイラ・工業炉・モータシステムの事例分析-

タイトル(英文)

Barriers to energy efficiency in the Japanese industry - Case studies of boilers, furnaces and motor-driven systems -

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

主に非エネルギー集約型産業を対象として、主要なエネルギー消費設備であるボイラ・工業炉・モータシステムにおける省エネルギーのポテンシャルとその障壁について、NEDOや業界団体による実態調査等の文献収集および省エネルギー診断士等へのインタビュー調査を通じて事例分析を行った。
まず、ボイラ・工業炉・モータシステムにおける経済的な省エネルギーポテンシャルの推計を行った。その結果、ボイラ・工業炉・モータシステムのいずれについても、大まかな推定ながら、短期間に投資回収が可能な省エネルギーポテンシャルの存在を確認した。
次に、経済的な省エネルギー対策を妨げる障壁について分析し、以下の障壁の存在を確認した。(1)資金調達、(2)情報の不足、(3)現状把握・対策検討能力の不足、(4)隠れた費用(①エネルギー管理にかかわる人件費、②生産工程に省エネルギー対策を講じることによる製品品質への影響、③省エネルギー設備への更新時に操業停止することによる機会費用、④他の優先される投資案件があるため省エネルギーに資金を回せない、⑤対策に組織内の異なる部門間の調整が必要になる場合がある、⑥メンテナンスコストの増加や利便性の低下)、(5)インセンティブの不一致、(6)需要の多様性、(7)経営者の関心不足。
最後に、これらの障壁を解決するための政策措置を検討した。

概要 (英文)

Despite the need for increased energy efficiency, literatures indicate the existence of profitable energy-efficiency potentials that are unexploited due to "energy efficiency barriers". This report investigates if this holds for Japan and explores different barriers inhibiting the implementation of cost-effective energy efficiency measures in the Japanese industry. Focuses are given on energy efficiency measures concerning three technologies, namely boilers, industrial furnaces, and motor-driven systems, which in aggregate consume more than half of the energy in the non-energy intensive industry in Japan. Firstly the author examined the results of the past energy audit programs and existing surveys, and found that there seems to be large potentials of cost-effective energy efficiency measures in the three technologies. Secondly the author, based on the literature survey and interview survey, identified various barriers that inhibit diffusion of energy efficiency practices in each of the three technologies. The major energy efficiency barriers include access to capital, lack of information, lack of capacity to conduct proper energy management, hidden costs such as labor costs and inconvenience, split incentives, heterogeneity of demand, and lack of interest in energy efficiency by the top management. Policy implications are also discussed.

報告書年度

2008

発行年月

2009/05

報告者

担当氏名所属

木村 宰

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

若林 雅代

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

今中 健雄

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

野田 冬彦

(財)省エネルギーセンター

村田 博

(財)省エネルギーセンター

辻元 久一

(財)省エネルギーセンター普及部

キーワード

和文英文
省エネルギー障壁 Energy efficiency barrier
産業部門 Industrial sector
工業炉 Industrial furnace
ボイラ Boiler
モータシステム Motor-driven system
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