電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Y08034

タイトル(和文)

業務部門のデマンドレスポンスによる需要調整の技術的ポテンシャルの評価

タイトル(英文)

An Analysis of Potential Demand Shaving in Japanese Commercial Building Sector by Demand Responsive Strategies and Technologies

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

米国の一部の電力市場では,需要反応(Demand Response, DR)プログラムが導入されており,需要の価格弾力性を活用することで,系統電力ピーク需要の抑制や供給信頼度の向上に貢献している。本研究の目的は,DRプログラムを我が国に適用する価値を検討するため,需要側にどのような需要調整手段がありうるかを抽出・整理し,十分な需要調整ポテンシャルがあるか予備的に分析することである。抽出・整理したDR技術・方策の中から,次の3種類の対策を取り上げ,2020年度において東京電力管内の事務所ビル・小売店舗全体に適用した場合の技術的ポテンシャルを試算した:(1)空調設定温度の変更(26.2℃→28℃),(2)共用スペースやバックヤード,ペリメータ(窓際)の照明の消灯,(3)内蔵バッテリ・UPSを用いたノートパソコン・サーバ用電力のピークシフト。夏季平日13-16時のピーク時間帯に上記DR対策を発動した場合の負荷削減量は,空調設定温度の変更が75万kW,共用スペース等の照明消灯が41万kW,ノートパソコン・サーバの電力ピークシフトが12万kW,合計約130万kWである。これは2020年度の東京電力の供給予備力(推定)513万kWの約25%である。この数値は3種類のDR対策の技術的ポテンシャルの試算値に過ぎないが,業務部門のみで供給予備力に比較しうる需要調整ポテンシャルがあることを示している。

概要 (英文)

Demand response is expected to be a useful tool to improve reliability of power system and curb price spikes in wholesale electricity market. Rapid advances in information communication technologies are expected to make the demand response easier and cheaper to introduce into the power system in the near future. To explore the possibility of demand response programs and technologies in Japan, we performed a preliminary analysis of load impact by a couple of demand responsive technologies in air-conditioning, lighting and computing appliances for commercial building sector in the Tokyo Electric Power Co.(TEPCO) service area.
The results show that, a peak demand reduction of about 1290MW could be technologically achievable in FY2020 if every office building and retail store adopts the supposed demand shaving and shifting options, which is about 25% of the projected reserve of TEPCO, 5130MW in FY2020. That implies that demand response for commercial building sector, if fully utilized, could have a potential to give a considerable reserve capacity to generation reserve in the supply side in Japan.

報告書年度

2008

発行年月

2009/05

報告者

担当氏名所属

高橋 雅仁

社会経済研究所 エネルギー技術政策領域

浅野 浩志

社会経済研究所

山口 順之

社会経済研究所 事業経営・電力政策領域

キーワード

和文英文
デマンドレスポンス Demand Response
業務部門 Commercial Building Sector
技術的ポテンシャル Technical Potential
負荷分析 Load Impact Analysis
Copyright (C) Central Research Institute of Electric Power Industry