電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
Y07022
タイトル(和文)
分散型エネルギーシステムの設置動向調査
タイトル(英文)
Current Status of Installed Capacity by Prime Mover and Business Sector of self-generating facilities
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
各種公開資料と当所独自の調査結果をもとに設備の増設や廃棄など個別設備の沿革を特定し、2005年度までに設置された常用発電設備の設置容量をデータベース化した。データベースに登録されている自家用発電施設数は2005年度末で6,792発電所、出力の合計は32,593MW、IPP/PPS事業用発電所は48箇所、出力の合計は6,627MWである。また、今後のリプレース需要を推定するために、設備の利用年数について調査し、以下の導入実態を明らかにした。
(1) 1990年度末から1997年度末までの自家用発電設備の年平均増加量は約92万kW/年であった。一方、IPP/PPS用電源が運開を始めた後の1998年度末から2005年度末までの8年間の自家用発電設備の年平均増加量は約73万kW/年となり、IPP/PPS用電源の運開開始後は自家消費用の自家用発電設備の増加が鈍化している。自家消費用自家発電設備からIPP/PPS事業用に振替が行われた容量は全国累計で17万kWであった。
(2) 2005年度末で最も導入量が多い業種は石油・化学業であるが、5年間の増加率では輸送用機械製造業を中心にプレス・機械製造業で65.6%増加している。導入量はまだ少ないものの、食品・飲料製造業で36.3%増加している。導入量上位5業種ではエネルギー業と石油・化学が5カ年間でそれぞれ21.7%、18.1%増加している。
(3) 業務部門では廃棄物処分業での増加率が最も高く、過去5年間で79.4%増加している。また、導入量はまだ少ないものの、医療・福祉業、不動産業、教育業の増加率が高く、それぞれ、55.0%、34.2%、33.0%の高い伸び率を示している。導入量上位5業種の内、小売業、宿泊・娯楽・遊興業の増加率は11.9%、15.2%であった。介護保険点数の改定などが経営課題となっている中、老人保健施設を中心に、医療福祉業では今後ともしばらくは自家用発電設備の導入意欲は続くものと考えられる。
(4) 各原動機の台数シェアは、ディーゼルエンジンが10年間で1.90ポイントのシェア低下となっている。一方でガスエンジンの台数シェアは1995年の19.90%から2005年には25.90%となり、6ポイント増加している。また、近年、特定業種においてマイクロガスタービンを導入する事例が増加しており、ガスタービンの設置台数シェアは至近5年間で1.90ポイント上昇し、11.12%となっている。
(5) 各種原動機の平均的な利用年数がこれまでの原動機と同程度であるとすると、今後5年間で耐用年数を迎えるガスタービン、ガスエンジン、ディーゼルエンジンが5000台ほどある。近年の燃料価格高騰等により、需要家が自家発自家消費から系統電力からの売電へ切り替える戻り需要がさらに加速される可能性がある。
概要 (英文)
This report presents the updated database of self-generating facilities installed in Japan. This database covers 12,082 self-generating facilities for 32.1 GW total capacity, and accounts for approximately 98% of total installed capacity in Japan as of March 2006. The database keeps track of the decommissioning, expansion of facility and conversion for wholesale purpose from self-consumption due to electricity deregulation. Of the total capacity, 82% is used for industrial sectors including petrochemical and paper industry, 17% is used for commercial and transportation sector including retail (516 MW) and waste disposal (1,400MW) respectively. The highest growth of installation of self –generating facilities in industrial sectors was 12.87% / year in press and machine manufacturing industry from FY2003 to FY2005. In commercial sector, self power generating power plant capacity increased 14.76% / year between FY2003 and FY2005.
Total capacity of self-generating facilities increases 920MW/year from 1990 to 1997. After IPP started for supplying electricity in 1998, annual growth of self-generating facilities declined to 730MW/year. Total capacity of generating facilities for IPP and Power Producer and Supplier is 6,627MW including 170MW of capacity converted for wholesale use from self-consumption of self-power generating facilities from 1998 and 2005.
The share of diesel engine in the total installation has decreased by 1.90% in the past ten years. On the other hand, that of gas engine became 25.90% in 2005 from 19.90% in 1995. In addition, the share of gas turbine has increased by 1.90 point to 11.12% in FY2005 from FY2001, reflecting their steady penetration in several industrial sectors such as automobile.
報告書年度
2007
発行年月
2008/04
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
今村 栄一 |
社会経済研究所 エネルギー技術政策領域 |
共 |
浅野 浩志 |
社会経済研究所 事業経営・電力政策領域 |
キーワード
和文 | 英文 |
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自家用発電設備 | Self Power Generation Plant |
コージェネレーション | Co-generation |
原動機 | Prime Mover |
データベース | DataBase |
需要部門 | Commercial & Industrial sector |