電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Y07010

タイトル(和文)

茨城県における原子力とエネルギー問題に関する住民意識

タイトル(英文)

A Survey on the Public Opinion regarding Nuclear Power and Energy Issues in Ibaraki Prefecture

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

本研究では,茨城県民の原子力利用やエネルギー問題に対する関心・知識・態度を把握するための調査を行い,地域内の意見の分布を把握するとともに,意見形成の要因を明らかにした。茨城県を原子力発電所の立地地域と,立地地点との関わりで6地域に分け,各地域の市町村の住民基本台帳から無作為抽出した成人男女2000名を調査対象とし,有効回答数1325(回収率66.3%)を得た。調査は2007年8-9月に実施した。
調査の結果,得られた主要な成果は以下の通りである。
1)茨城県民の原子力発電に対する態度や認知:茨城県民の原子力発電の安全性や必要性に対する認識は,他の原子力立地地域の結果と比較して高く,今後の原子力発電推進に同意する割合も高かった。原子力発電に対する不安感も全国調査の結果よりも「不安」と回答する割合が低かった。
2)性差・年齢差:原子力発電に対する知識や意見における年代・性別の差は,年代が上になるほど,女性よりも男性の方が肯定的態度の強い傾向が示された。ただし,原子力発電の安全性,必要性,推進意見には年代差が見られなかった。
3)地域差:原子力発電立地地域は,原子力の知識があり,発電所の安全管理対策がしっかりしていると認識している割合が高い。原子力発電の安全性,必要性,安心感も他の地域より高く,原子力発電を推進すべきとの意見が強い。近隣地域や周辺地域も,遠隔地よりは知識や安全管理への信頼,安全性・必要性の認知が高いが,防災対策や地震対策などへの認識で立地地域と極端に差があった。
4)原子力発電に対する態度を左右する要因:原子力発電の必要性,安全性の認知,不安感,推進・反対意見に影響を与えている要因を分析した結果,立地地域では,防災対策,国の監督がしっかりしていることが原子力発電の安全性認知に,地震対策,定期検査の実施や発電所周辺の放射線が微量であることの知識が安心感に影響を与えていた。ただし,原子力発電の必要性認知に影響を与える要因は安全性認知のみであった。
今後は,他立地地域との比較を通じて,立地地域住民の考えがどのような要因に左右されるのかを明らかにする必要がある。

概要 (英文)

To 2000 people who were randomly sampled from the basic register of residents in Ibaraki prefecture, we conducted a questionnaire survey asking their interest in, knowledge of and attitude toward nuclear power, to analyze which perceptions and opinions they had and factors influencing them. The ratios of respondents in Ibaraki prefecture who think nuclear power is safe, necessary, and should be developed more, are higher than those of surveyed residents who live in other regions where nuclear power plants had been in operation. Differences in gender are nearly the same as those found in the nation-wide surveys has shown. However, any clear differences of risk perception and attitudes for nuclear power generation in age are not identified.
We analyzed the perception of risk and the sense of security for nuclear power, and the opinions for necessity of and directions of nuclear power development, using a multiple regression model. According to the estimated "Tokai-mura" model, their opinion for nuclear power development is strongly supported by cognitions of necessity of nuclear power, however risk perceprion does not affect their opinion whether nuclear power should be developed. The cognition of necessity of nuclear power is supported by only risk perception but recognized benefit.

報告書年度

2007

発行年月

2008/03

報告者

担当氏名所属

小杉 素子

社会経済研究所 地域研究領域

神谷真美

日本原子力発電株式会社/広報室

土屋 智子

社会経済研究所 地域研究領域

キーワード

和文英文
アンケート調査 Questionniare Survey
住民意識 Public Opinion
茨城県 Ibaraki Prefecture
エネルギー開発 Energy Issues
原子力発電 Nuclear Power
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