電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
S02005
タイトル(和文)
意識面・組織面からみた安全診断システムの構築(その4) -請負構造を持つ組織への適用性の検討-
タイトル(英文)
Development of the Safety Evaluation System in the Respects of Organizational Factors and Workers' Consciousness (Part 4) : Application of the System for Contract Companies
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
電力中央研究所ヒューマンファクター研究センターでは、従業員の意識・行動や組織要因に基づいて組織の安全性を評価する指標ならびに評価システム(安全診断システム)を開発している。安全診断の基準値は、診断対象とする組織の業務内容や組織体制によって異なる可能性があるため、本報では請負構造を持つ組織に対する同システムの適用性を検討し、以下の結果を得た。1) 各事業所の平均スコアを用いて主成分分析を行ったところ、主成分分析で抽出される第1主成分の主成分得点を「総合的安全指向の指標値」として策定した。2) 1)の指標と安全施策への取り組みの積極性との相関分析を行ったところ、有意な正の相関が得られたため、総合的安全指向の指標は安全確保に対する組織としての取り組みを評価できることが示された。3) 元請会社では1)の指標値と設備災害発生率との間に正の相関が認められたが、協力会社ではある一部の企業体でしか労働災害発生率との間に負の相関が認められなかった。詳細分析を行ったところ、協力会社の安全診断を行う場合には、個人要因に関する項目も考慮すると評価精度が向上する点が示唆された。4) 請負会社では、当該企業が所属する企業の影響や業務上のリスクの大きさなどを加味すると、より正確に特徴が把握できると考えられる。5) 業種が異なると、組織体制や安全のために重視する対象にも違いが現れる可能性があるため、他業界との比較は慎重に行わなければならない。
概要 (英文)
The purpose of our study is to develop a safety evaluation system which clarifies the safety level of an organization. As a basic method of evaluation using a questionnaire had been established, now that the generalization is needed for the system. Hence, this paper is intended to consider the applicability of the system for contract companies. Subjects were workers who belonged to contract companies engaging in the maintenance of power plants in regular inspections. The following results were obtained: 1) The Comprehensive Safety Index (CSI) taking into account individual and organizational factors was identified using the principal component analysis. 2) The validity of CSI was confirmed with significant correlations between the CSI score and the rate of accidents. 3) Careful consideration should be provided for individual factors especially when evaluating the safety level of subcontract companies. 4) It seemed necessary to take into account the influence of parent companies and occupational hazards level. 5) The comparison among different industries should be avoided because of the difference in organizational structures and subjects of attention for keeping safety.
報告書年度
2002
発行年月
2003/04
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
長谷川 尚子 |
ヒューマンファクター研究センター |
共 |
廣瀬 文子 |
ヒューマンファクター研究センター |
共 |
早瀬 賢一 |
ヒューマンファクター研究センター |
共 |
津下 忠史 |
ヒューマンファクター研究センター |
共 |
佐相 邦英 |
ヒューマンファクター研究センター |
共 |
高野 研一 |
ヒューマンファクター研究センター |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
安全文化 | safety culture |
安全診断システム | safety evaluation system |
組織要因 | organizational factors |
安全意識 | safety consciousness |
請負会社 | contract company |