電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Y10010

タイトル(和文)

国内・外産石炭火力混焼用バイオマス燃料の製造・輸送に係わるCO2排出量の評価

タイトル(英文)

Evaluation of Life Cycle CO2 Emissions of Domestic and Foreign Biomass Fuel for Coal-fired Power Plant

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

本研究では、電気事業での利用が想定されるペレットに成形したバイオマス燃料を対象に、産地、種類、製造・輸送方法の異なる事例別に、LC-CO2排出量を評価するともに、燃料調達先選定における課題を考察した。その結果、同じ種類のバイオマスでもLC-CO2排出量は異なり、EFB(パーム空果房)ペレットで約10倍、国外木質ペレットで約4.7倍、バガス・国内木質ペレットで約2倍の開きがあること、内訳では、原料と製品の陸上輸送に関わるLC-CO2排出量の占める割合は小さく、我が国までの海上輸送及び、原料の乾燥工程とペレットへの成形工程におけるLC-CO2排出量の占める割合が大きいこと、ペレット燃料は、乾燥工程において廃熱や余剰バイオマスの熱源利用、ペレット製造時の電力として低炭素電源を利用することで、LC-CO2排出量の削減が可能であることがわかった。また燃料調達先選定の課題では、国外産バイオマスには海上輸送分の排出量が一定量加算されるが、製造方法を工夫することで国内産バイオマスを下回る事例も多いことから、LC-CO2排出量の観点から海外からの輸入品は対象外とすべきとの議論は適切でないこと、余剰バイオマス、廃熱、天然ガス、バイオガス電力の利用可能性がLC-CO2排出量に大きく影響している。そこで燃料調達先選定の際には、それらの利用有無とともに、余剰バイオマス等の継続的な利用可能性について注視することが重要であることがわかった。

概要 (英文)

Quantitative evaluation of CO2 reduction differing by co-firing biomass of coal-fired power plants requires calculation of Life Cycle (LC) CO2 emission of each biomass, that consists of phases which are raw material preparation, manufacturing and transporting to the power plant. This report evaluated the LC-CO2 emissions of pelletized biomass fuels of the fourteen cases, and discussed to properly select co-firing biomass. The cases were different in countries, biomass types, manufacturing processes and modes of transportation.
The following are the main results.
(1) LC-CO2 emission of same kind of biomass was different. Emission of the EFB pellet cases had 10 times difference. The difference of the import wood pellet cases was 4.7 times, and that of the bagasse pellet cases and the domestic wood pellet cases was 2 times.
(2) The difference of LC-CO2 was mainly caused by drying energy, thermal energy from surplus biomass, electricity with low carbon emission for pelletizing and sea transportation.
(3) Although the emissions of the import cases raised by sea transportation, manufacturing process in some cases made better total emissions than the domestic cases.

報告書年度

2010

発行年月

2011/05

報告者

担当氏名所属

井内 正直

社会経済研究所

キーワード

和文英文
バイオマス燃料 Biomass Fuel
石炭火力発電所 Coal-fired power plant
混焼 Co-firing
ライフサイクル分析 Life-cycle Analysis
CO2排出量 CO2 Emissions
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