電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
W00007
タイトル(和文)
MCFCニッケル短絡防止法の研究 -第2成分を添加したカソードの短絡抑制効果とセル性能-
タイトル(英文)
Study on preventive methods of nickel short circuit caused by NiO dissolution and precipitation in MCFC.
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
電池性能維持の観点から酸化ニッケルをベースに添加物を加えてニッケル溶解量抑制を図った新規カソード材を検討し、それら新規部材を用いた単セル試験により、ニッケル短絡の抑制効果を解明・評価し以下の結果を得た。 溶解度低減の観点から、有望な添加物としてFeとCoを選定した。これらを添加したカソードを用いて単セル特性を測定し、従来セルと比較した。その結果、Li/K系電解質においてFe添加およびCo添加NiOカソードの適用により共に2.1倍~2.6倍の短絡発生時間の延伸効果があることが明らかとなった。 運転終了後の解体分析によれば、Fe、Co添加効果については炭酸塩中へのNiの溶解度を低減する効果よりも、析出ニッケル粒子を肥大化させ、分布形態を変化させる効果が本実験では認められた。短絡抑制効果としてはFe、Co系共に同程度であることから、より低コストなFeの適用が実用的である。Fe10mol%添加カソードを適用したセルでは40mV程度、性能が低下したが、内部抵抗はほとんど増加しておらず、性能低下の主要因は電極構造の最適化の不十分さに起因していることが推定された。
概要 (英文)
The most important cause of lifetime limitation is dissolution of the cathode and precipitation of Ni in electrolyte. Porous cathodes of NiO, 1-10mol%Fe-doped NiO, and 5-25mol%Co-doped NiO for the molten carbonate fuel cel (MCFC) were examined using the bench scale cells (Li/K eutectic carbonate) at temperatures of 923K. A starting time of nickel shorting used 10mol%Fe-doped NiO was 2.6 times longer that of NiO cathode in spite of the almost same amount of nickel deposition in the matrix. On the other hand, the cell performance using 10mol%Fe-doped NiO cathode is lower than that of conventional cathode caused by the unsuitable of the cathode microstructure. The optimization of the microstructure is of importance to apply the Fe-doped NiO cathode to the MCFC.
報告書年度
2000
発行年月
2000/10
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
吉川 将洋 |
横須賀研究所エネルギー化学部 |
共 |
麦倉 良啓 |
横須賀研究所エネルギー化学部 |
共 |
渡辺 隆夫 |
横須賀研究所エネルギー化学部 |
共 |
藤田 洋司 |
三菱電機(株) エネルギー変換技術部 |
共 |
西村 隆 |
三菱電機(株) エネルギー変換技術部 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
溶融炭酸塩形燃料電池 | MCFC |
ニッケル短絡 | Shorting by NiO cathode dissolution |
新材料 | New material |
性能解析 | Performance analysis |
電極ミクロ構造 | Micro structure of the electrode |