電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
V08013
タイトル(和文)
河川生活期のアユの物理環境選好性
タイトル(英文)
Preference of ayu Plecoglossus altivelis altivelis to current velocity,water depth,bed material and water temperature in growing and spawnning season
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
成長期、産卵期のアユの流速、水深、河床材料などの物理環境に対する選好性について実験した。成長期のアユが選好し定位した流速は41.1±9.9cm/s(mean±SD)であり、この流速は一次生産の高い早瀬の流速にほぼ一致した。秋の産卵期にアユが選好した流速は29.1±8.0cm/sで、成長期の選好流速より遅くなった。また、実際に産卵した産卵床の流速23.8±7.6cm/sであった。実験と河川での潜水観察から、ナワバリアユを対象とした友釣りに適した漁場は少なくとも水深30cm以上必要と考えられる。産卵期のアユは、流速、河床材料が産卵に適していれば、水深5cmで産卵した。成長期には細礫より付着藻類が生えやすく、またアユが摂餌しやすい3.9cm以上の中礫を選好した。産卵期になると細礫と中礫に対する選好性はなくなり、どちらの水底でも産卵した。ただし、8.5cmの大礫だけの河床では、産卵は行われなかった。成長期のアユの水温に対する忌避選好性は、馴致水温によって異なった。20℃馴致では25℃を忌避しない。25℃馴致では28℃から高い温度を忌避し、28℃馴致では29℃を忌避せず、30℃以上を忌避した。これらから、アユの高水温に対する選択忌避行動は、馴致水温が影響すると考えられ、河川ごとに異なる可能性がある。
概要 (英文)
Preference of ayu Plecoglossus altivelis to current velocity,water depth,bed material and water temperature in growing and spawning season were studied using stream tank and Y-maze.Results are summarized as follows;(1)Ayu prefered the velocity of 41.1 cm/s(mean) at growing season in summer and 29.1 cm/s at just before spawning season.(2)Attack frequency of territorial ayu to intruder in stream tank was maximum at 40 cm,second at 30 cm and minimum at 20 cm.(3)Ayu prefers pebble and cobble to gravelin growing season. And ayu does not distinguish between pebble and gravel for spawning bed.(4)From Y-maze test,relationship accustomed temperature (x) and upper tolerance temperature (y) in growing season is next equation y=0.49x+15.1(R2=0.979).
報告書年度
2008
発行年月
2009/04
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
本田 晴朗 |
環境科学研究所 |
共 |
山本 亮介 |
環境科学研究所 物理環境領域 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
アユ | Plecoglossus altivelis |
流速 | water velocity |
水深 | water depth |
河床材料 | stream substrate |
水温 | water temperature |