電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
V04011
タイトル(和文)
マングローブ生態系の堆積物におけるCO2隔離貯蔵量評価法の開発 --鉛-210を用いた有機炭素堆積速度の推定--
タイトル(英文)
Estimation of CO2 sequestration rate in sediment of mangrove ecosystem - organic carbon accumulation rate estimated by Pb-210
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
京都メカニズムのクリーン開発メカニズムを活用する植林プロジェクトにおいて、吸収源確保事業者はCO2等温暖化ガス固定・放出抑制量の算定を行うことが義務付けられている。陸上森林では樹木(地上・地下部)と土壌(堆積物)の全炭素固定量を計測する方法が有望である。しかしながら、マングローブ植林を実施する場合は、マングローブが沿岸域の干潟上に成長し、陸上森林とは異なる堆積物を形成するため、この堆積物についてCO2隔離貯蔵量の評価法の開発が必要である。堆積物吸着性の強い天然放射性核種である鉛-210を用いて、2000~2003年にかけて、石垣島、ベトナム、タイ、インドネシアのマングローブ域を調査対象として、CO2隔離貯蔵量評価法を開発した。堆積層における鉛-210の放射能の減衰が、堆積後の経過年を反映していることを利用して、堆積層における過剰鉛-210濃度の減少速度と、当該深度の単位面積当たり有機炭素堆積量を用いて、有機炭素堆積速度を算出できることが示された。有機炭素堆積速度からCO2隔離貯蔵量を算出した結果、石垣島、ベトナム、タイ、インドネシアの調査したマングローブ域では、各々1.9、2.0、4.9、2.4 ton-C ha-1 year-1 であった。開発した評価法は、調査した総てのマングローブ域に適用可能であった。
概要 (英文)
In the feamework of forestation CDM project of Kyoto mechanism, mangrove sediment CO2 sequestration rate in case of forestation CDM project was estimated in Japan and Asian mangrove area by using natural radionuclide Pb-210 that has strong affinity to fine particle and organic carbon content in mangrove sediment. The result demonstrated that Pb-210 attached to fine organic carbon particle in sediment, being effective time tracer to calculate organic carbon accumulation rate in mangrove sediment. Using 210Pb vertical profile in sediment core and cumulative organic carbon amount in mangrove sediment, CO2 sequestration fluxes in mangrove study sites of Japan, Vietnam, Thailan and Indonesiawere were estimated to be 1.9, 2.0,4.9, 2.4 ton-C ha-1 year-1, respectively.
報告書年度
2004
発行年月
2005/06
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
立田 穣 |
環境科学研究所生物環境領域 |
共 |
石井 孝 |
環境科学研究所陸・水環境領域 |
共 |
今村 正裕 |
環境科学研究所陸・水環境領域 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
海洋生態系 | marine ecosystem |
CO2 | CO2 |
地球温暖化 | global warming |
マングローブ | mangrove |
沿岸生態系 | coastal ecosystem |