電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

V04002

タイトル(和文)

西部北太平洋での鉄散布実験における溶存有機物の挙動解析

タイトル(英文)

Dissolved organic matter dynamics during an iron enrichment experiment in the western north Pacific

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

溶存有機物(DOM)が鉄散布による生物的炭素固定に果たす役割を明らかにするために,2001年におこなわれた鉄散布実験おけるDOMの挙動を観測した。その結果,活発な増殖期において植物プランクトンが固定した炭素はDOMと粒状有機炭素に約50%づつ分配されると見積もられた。DOMに変換された有機炭素は速やかに細菌による分解を受けるものの,数日オーダーで考えた場合には,植物プランクトンが生成した有機炭素の22-29%がDOMとして表層に留まることが明らかとなり,DOMが生物的炭素固定に重要な役割を果たすことが明らかとなった。また,これまで報告されていたよりも窒素およびリン含量の高いDOMが生成されることを解明した。DOMは炭素よりも窒素およびリンの再生循環により大きく関わることによって植物プランクトンの有機物生産に寄与しており,炭素をDOMとして効率よく固定する働きを持っていることが示唆された。

概要 (英文)

Dissolved organic matter (DOM) dynamics was observed during in-situ iron enrichment experiment in 2001 in order to elucidate the role of DOM on biological carbon fixation by iron enrichment technique. The carbon fixed by phytoplankton was equally distributed to both DOM and particulate organic matter during the growth phase. Although part of the produced DOM was decomposed by bacteria, 22-29% of the fixed organic carbon remained in surface as DOM during our observation. This result shows that DOM has an important role on biological carbon fixation. Moreover, the production of DOM with high ratio of nitrogen and phosphorus content was observed. Because nitrogen and phosphorus in DOM could be recycled easier than carbon, the DOM would contribute to the organic carbon production by phytoplankton. The mechanism might have the effective role of the carbon fixation as DOM.

報告書年度

2004

発行年月

2004/06

報告者

担当氏名所属

芳村 毅

環境科学研究所陸・水環境領域

西岡 純

環境科学研究所陸・水環境領域

キーワード

和文英文
鉄散布実験 Iron enrichment experiment
溶存有機物 Dissolved organic matter
植物プランクトン Phytoplankton
炭素循環 Carbon cycle
二酸化炭素 Carbon dioxide
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