電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

T98063

タイトル(和文)

有機金属化学蒸着法による304ステンレス鋼の耐食性向上技術の開発(その2) -PWR1次系模擬環境下での各種複合酸化皮膜の安定性評価-

タイトル(英文)

Improvement of corrosion resistance of Type 304 stainless steel by MOCVD <Part 2> Stability of composite oxide films under simulated PWR primary water conditions.

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

有機金属化学蒸着法により各種複合酸化皮膜を形成した304ステンレス鋼に対し、PWR1次系を模擬した高温高圧水中で浸漬試験を行い以下の結論を得た。1. クロム酸化皮膜は、浸漬試験による皮膜構造変化が少なく、また、腐食減量もわずかであったことから、PWR1次系模擬環境中で安定に存在し、ステンレス鋼の腐食を抑制する。2. PWR1次系模擬環境中での皮膜の耐食性は、皮膜中のクロムカチオン分率(XCr)に依存し、XCrが高いほどステンレス鋼の腐食を抑制する。3. スピネル構造を有していないNiおよびZnを含む複合酸化皮膜の安定性は低く、保護性は認められなかった。 以上の結果より、PWR1次系環境中では、皮膜の安定性には皮膜中のクロムカチオン分率等の皮膜組成が重要な因子であるとともに、皮膜の結晶構造も重要な役割を示すことが示唆された。

概要 (英文)

Composite oxide films were formed on Type 304 stainless steel by Metal Organic Chemical Vapor Deposition (MOCVD) and the stability and corrosion resistance under simulated PWR primary water conditions were evaluated. The main results were as follows: (1) The Cr oxide film showed a high stability in simulated PWR primary water condition and restricted the corrosion of substrate.(2) The stability of oxide films increased with increasing Cr cation ratio (XCr) in the film.(3)The Ni and Zn composite oxide films did not show high stability under simulated PWR primary water condition becouse of the non-spinel type structure.

報告書年度

1998

発行年月

1999/05

報告者

担当氏名所属

藤原 和俊

狛江研究所界面科学部

神戸 弘巳

狛江研究所界面科学部

平野 秀朗

狛江研究所界面科学部

杉本 克久

東北大学大学院 工学研究科

田中 尚

(株)テクノ・サービス 第3技術部

田代 敏夫

(株)テクノ・サービス 第3技術部

キーワード

和文英文
有機金属化学蒸着法 Metal-Organic Chemical Vapor Deposition
カチオン分率 Cation ratio
皮膜安定性 Film Stability
複合酸化皮膜 Composite oxide Film
高温高圧水 High-Temperature Water
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