電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

T03008

タイトル(和文)

核融合動力炉開発シナリオ構築のための核融合発電実証炉:Demo-CRESTの概念検討(1) -基本概念の構築-

タイトル(英文)

Conceptual Study on Demonstration Reactor, Demo-CREST, for Development Strategy of Fusion Power Reactor (1) - Basic Concept -

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

早期の核融合発電の実証を目指した核融合発電実証炉の基本的な概念検討を実施した。 建設時期までに達成可能な工学技術と、ITERで実現がほぼ確実なプラズマ性能によって、プラント規模で発電実証が可能な核融合炉概念とした。これらの条件を満たすため、発電実証炉のプラズマ主半径をITERより大きい7.25 mとし、また、アスペクト比はITERと同程度の3.4とした。また、ITERで達成の見込まれる高性能プラズマで核融合出力2,840 MW、送電端電気出力450 MWの出力が得られ、実用規模での核融合発電の実証が可能である。 発電実証炉では、単に電気出力の発生のみならず、核融合発電炉が継続して安定した運転が可能であることを示すとともに、将来の経済性向上に向けた展望を示すことが必要である。継続した安定な運転には、燃料の自己充足性と合理的な保守・補修システムが不可欠である。特にトリチウム燃料の充足性は発電実証炉で初めて実証されるものであり、他のシステムでは補えないものである。発電実証炉ではITERのテストブランケットモジュールをベースとして、固体増殖材/ベリリウム/加圧水/低放射化フェライト鋼を構成材料として高トリチウム増殖率が得られる設計とした。また、燃料自己充足性をより確実なものとするためにはブランケットモジュールの大型化が必要であるため、ITERのメンテナンス技術をベースとしつつ、大型のブランケットモジュールのメンテナンスが可能なメンテナンス方式としている。本メンテナンス方式によって、燃料自己充足性をより確実なものとするとともに、メンテナンス期間の短縮による設備利用率向上および負荷分布に応じた頻度のブランケット交換が可能となる。 さらに、発電効率の向上による電気出力の増大および加熱システム効率の向上による所内消費電力の低減を可能とする改造を行うことによって、送電端電気出力1000MW程度の達成の可能性を持つ動力炉概念である。

概要 (英文)

A Conceptual study was conducted on a fusion power reactor for early demonstration of electric generation, named Demo-CREST. Based on an assumption of success of the ITER experiments on burning plasma and development of fusion engineering and materials, the Demo-CREST was designed with a major radius of 7.25 m. Demonstration of electric power generation (Pe,net > 0) is possible with minimum extension from the ITER plasma parameters, the ITER technologies, and materials to be developed in parallel with the ITER operation. Fusion power and net electric power of the Demo-CREST are 2.8 GW and 450 MWe in a R=7.25m and A=3.4 device, respectively. It also has the capability to obtain approximately 1 GWe in net electric power with advanced plasma parameters and advanced technologies. The blanket concept of the Demo-CREST should be based on the ITER test blanket modules. In the present study, the tritium breeding blanket consists of Li2TiO3 as breeder, Be as neutron multiplier, pressurized water as coolant and reduced activation ferritic steel as structural material. The local tritium breeding ratio and neutron energy multiplication factor are 1.48 and 1.31, respectively. The blanket module structure and maintenance procedure can secure tritium self-sufficiency and maintainability, which are indispensable to demonstrate steady and continuous operation. The proposed maintenance procedure of the blanket modules makes possible a reduction of the blanket replacement period and replacement according to the neutron wall load distribution.

報告書年度

2003

発行年月

2004/01

報告者

担当氏名所属

朝岡 善幸

狛江研究所原子力システム部

日渡 良爾

狛江研究所原子力システム部

岡野 邦彦

狛江研究所原子力システム部

吉田 智朗

原子力情報センター

キーワード

和文英文
核融合動力炉 Fusion Power Reactor
発電実証 Demonstration of Electric Generation
早期実証 Fast Track Concept
ITER ITER
ブランケット設計 Blanket Design
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