電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
SS23006
タイトル(和文)
人工バリア材料を用いた原位置試験の方法と技術的課題の整理(その2) ー人工バリア材料複合試験体の回収ー
タイトル(英文)
Methods of an in-situ experiment using engineered barrier materials and summary of technical issues (Part 2) - Collection of composite test specimens of engineered barriers -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
浅地中ピット処分では、定期的な評価(以下、PSRと記載する)等に必要なデータを取得するため、廃棄物埋設地の類似環境下に小型原位置試験体を設置することにより、人工バリアの性能変化を確認すること等が考えられている。他方、当所では、地下環境における人工バリア候補材料間の相互作用を調べるための原位置試験を実施しており、原位置試験の回収作業に技術的な難しさが認められた。また、類似の目的で実施されている原位置試験は他にも幾つかあり、それぞれ工夫して試験体の回収がなされている。このような原位置試験は、人工バリア候補材料を用いた試験体を地下環境に設置・回収するという点で、上記のPSRに関わる検討内容と共通している。そのため、各原位置試験の実施過程で得られた技術情報は、PSRに必要なデータを取得するための方法の検討に有用と考えられる。
目 的
当所が実施している原位置試験の試験体回収作業に関する技術情報を整理する。また、これに、既往の原位置試験の回収作業に関する技術情報を加えることで、埋設した試験体の回収作業について共通の技術的課題を考察し、その対応策を提案する。
主な成果
1. 試験体回収作業に関する技術情報の整理
当所では、人工バリア候補材料間の相互作用を評価するため、試験空洞注2)に掘削したボーリング孔に設置した人工バリア材料複合試験体(以下、複合試験体と記載する)1式を、オーバーコアリングにより回収した。その結果、ベントナイト部分が一部削れたものの、複合試験体の中心部に位置する硬化セメントペーストや、それと接触するベントナイトは回収出来た。ここでは、この過程で得られた掘削位置・方向合わせの方法や、オーバーコアリングによる複合試験体の回収作業等の技術情報を整理した。
2. 技術的課題の抽出と対応策の検討
当所が実施している原位置試験や既往の原位置試験における試験体の回収作業に関わる技術情報を整理し、共通の技術的課題を抽出した。具体的には、新旧ボーリング孔の掘削位置合わせや、岩盤部分におけるコア試料の縁切りの方法、ベントナイトを含む材料部分におけるコア試料の縁切りの方法、観察したい界面を保存したまま試験体を回収する方法といった技術的課題が抽出され、その対応策等を整理した。
今後の展開
設置中の複合試験体残り2式の回収作業にて、今回示した対応策の有効性を検証する。
概要 (英文)
Periodic safety reviews (PSR) of waste disposal sites are required for low-level radioactive waste disposal. To obtain the data necessary for PSR, small in-situ test specimens are installed in a similar environment to that of the waste disposal site to verify the properties of engineered barrier materials. On the other hand, several in-situ experiments have been conducted, including at our institute, to investigate the interaction between candidate engineered barrier materials, or between candidate engineered barrier materials and host rock. For these in-situ experiments, test specimens made of the candidate engineered barrier materials were installed in an underground environment, similar to the aforementioned PSR considerations. Therefore, the technical information obtained in the process of performing each in-situ experiment may be useful in the development of methods to obtain necessary data for PSR. This paper reports technical information about collection methods of test specimens by summarizing the collection method employed in our in-situ experiment and previous reports on in-situ experiments conducted in several locations.
報告書年度
2023
発行年月
2024/01
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
新橋 美里 |
サステナブルシステム研究本部 地質・地下環境研究部門 |
共 |
横山 信吾 |
サステナブルシステム研究本部 地質・地下環境研究部門 |
共 |
渡邊 保貴 |
サステナブルシステム研究本部 地質・地下環境研究部門 |
共 |
吉川 絵麻 |
サステナブルシステム研究本部 地質・地下環境研究部門 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
低レベル放射性廃棄物処分 | Low-level radioactive waste disposal |
人工バリア材料 | Engineered barrier material |
原位置試験 | In-situ experiment |
定期的評価 | Periodic safety review |
試験体の回収 | Collection of the specimens |