電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
SS21009
タイトル(和文)
ピット処分用角型容器の成立性評価 -構造強度および遮蔽性能評価-
タイトル(英文)
Feasibility study on pit disposal cubic container - Evaluation on structural strength and shielding performance-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
放射能レベルの比較的低い廃棄物の効率的な処分を実現するために,輸送容器の機能も備えた大型・角型の処分容器(角型容器)の活用が望まれている.既往の研究で,落下試験,落下解析に基づき耐衝撃構造を有する角型容器(補強容器)が提案されているものの,処分容器および輸送容器としての成立性については確認されていない.
目 的
処分施設内で誤落下した場合にも蓋部が脱落しない耐衝撃性能や,輸送容器,処分容器として求められる構造強度,遮蔽性能を補強容器が有していることを明らかにする.
主な成果
本研究では,角型容器の耐衝撃構造に関して既往の研究で示された検討過程を詳報するとともに,処分施設内の誤落下を想定した落下解析,輸送容器,処分容器として想定される荷重条件,遮蔽条件に関する数値解析による構造強度評価,遮蔽性能評価を実施した.以下に,本研究で得られた成果を示す.
(1)耐衝撃構造の有効性確認
補強容器を対象に,処分施設内の誤落下を想定した高さ5.3mからのRC床版上への衝突を模擬した落下衝突解析を実施した.蓋部を保持する蓋ボルトの相当塑性ひずみは3%と小さく,蓋ボルトの破断,蓋部脱落を防止できる見込みを示し,耐衝撃性能を有していることを明らかにした.
(2)構造強度評価
補強容器を輸送容器,処分容器として使用するためには,輸送容器としてのISOコンテナ規格の試験条件,埋設時の荷重条件に対して耐えることを示す必要があり,有限要素法解析により検証を行った.解析の結果,容器の各部材に有意な塑性に相当する領域は発生せず,著しい変形が生じることの無いことを明らかにし,補強容器は輸送容器,処分容器に求められる構造強度を有していることを明らかにした.
(3)遮蔽性能評価
放射能レベルの比較的低い廃棄体で想定される様々な放射能量の廃棄物に効率的に対応するために,補強容器内部に追加設置可能な遮蔽厚毎の追加遮蔽体の構造を検討した.遮蔽性能の更なる向上を目的とした輸送専用容器,および,追加遮蔽体を用いた容器組合せについて遮蔽解析を実施した.遮蔽解析の結果,輸送専用容器を用いた一部のケースの収納放射能量を制限することで,全ての容器組合せは,輸送規則における線量当量率に係る要件を満足することを示し,補強容器の仕様を取り纏めた.
概要 (英文)
The development of a large cubic and a dual-purpose transport and disposal container for low-level radioactive waste is necessary in order to ensure the efficient disposal of radioactive waste. Because waste disposal facilities are required to undergo a safety assessment in case of severe accidents, a disposal container needs to be tested for impact resistant performance. In previous study, the drop test was conducted using a full-scale container previously designed at its corner edge orientation. During the test, the lid bolts broke and the lid fell out. Based on result, a steel cube container with improved impact resistant performance was proposed.
In this study, the impact analysis of a drop on a reinforced concrete slab was carried out to evaluate the impact resistant performance of the improved container, assuming an accidental drop in the disposal facility. In addition, the improved container should have the structural strength and shielding performance required for a dual-purpose container for transportation and disposal. Therefore, static elastic analysis and shielding analysis were carried out for the improved container, and it was confirmed that the improved container has the structural strength and shielding performance required for transport and disposal containers.
報告書年度
2021
発行年月
2022/04
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
南波 宏介 |
サステナブルシステム研究本部 構造・耐震工学研究部門 |
共 |
廣永 道彦 |
サステナブルシステム研究本部 構造・耐震工学研究部門 |
共 |
相馬 悠人 |
サステナブルシステム研究本部 構造・耐震工学研究部門 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
低レベル放射性廃棄物 | Low level radioactive waste |
鋼製角型容器 | Steel cubic container |
耐衝撃性能 | Impact resistant performance |
構造強度 | Structural strength |
遮蔽性能 | Shielding performance |