電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

SS21004

タイトル(和文)

人工バリア材料を用いた原位置試験の方法と技術的課題の整理(その1) ー人工バリア材料複合試験体の作製と設置ー

タイトル(英文)

Methods of an in-situ experiment using engineered barrier materials and summary of technical issues (Part 1) - Preparation and installation of composite test specimens in engineered barriers -

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背 景
 浅地中ピット処分における定期的な評価等(以下、PSR と記載する)に必要なデータを取得するため、廃棄物埋設地の類似環境下に、目的に応じた小型の原位置試験体を設置することにより、人工バリア材料の性能変化を確認すること等が考えられている。そのため、具体的な試験体仕様や設置方法等の検討を、今後さらに進める必要がある。
 一方、当所では、中深度処分施設の人工バリア候補材料間の相互作用とそれに伴う性能変化を理解するため、試験空洞において原位置試験を開始した。この試験の目的や人工バリア候補材料を用いた試験体を地下環境に設置するという点は、PSR に必要なデータを取得するために検討されている内容と共通点がある。そのため、原位置試験の実施過程で得た技術情報は PSRの具体的な検討にも有用な情報と考えられる。

目 的
 当所が試験空洞で実施している上述の原位置試験において、人工バリア材料複合試験体(以下、複合試験体と記載する)の設置までの過程で得られた技術情報や、そこから
抽出された技術的課題、その技術オプションについて整理する。

主な成果
1. 原位置試験の概要と技術情報の整理
 人工バリア候補材料間の長期相互作用評価のため、異なる回収時期を想定した複合試験体 3 式を水平ボーリング孔に設置した。ベントナイト、セメント系材料、炭素鋼を用いてボーリング孔径より小さい複合試験体を作製し、定置後にベントナイトの膨潤により隙間を埋める設計とした。ここでは、複合試験体の作製・設置方法、割れ目等の設置環境に関する分析項目と分析方法を整理した。

2. 技術的課題の整理と想定される技術オプションとの比較
 試験体作製方法やベントナイトの乾燥密度の設定についての考え方、垂直ボーリング孔で原位置試験をした場合との比較に関して、本原位置試験を実施する過程で顕在化した技術的課題や、今回は採用しなかった技術オプションに関するそれぞれの特徴を整理した。ここで示した技術オプションは、今後計画される原位置試験の調査環境に応じて選択することが重要である。

今後の展開
 複合試験体を回収し、人工バリア候補材料の長期変質に関わるデータを取得するとともに、回収・分析方法等の技術情報を整理する。

概要 (英文)

Mandatory periodic safety reviews of waste disposal sites are required for low-level radioactive waste disposal. In this study, an in-situ experiment using composite test specimens was initiated to investigate the long-term alterations in candidate engineered barrier materials, such as bentonite and cementitious materials. In 2020, the composite test specimens using the candidate engineered barrier materials were prepared, and installed in a horizontal borehole. The technical information obtained from the in-situ experiments may be valuable, as this is one of the few studies to examine the methods of periodic safety reviews. This report summarizes the methods and technical issues of the in-situ experiments.

報告書年度

2021

発行年月

2022/03

報告者

担当氏名所属

新橋 美里

サステナブルシステム研究本部 地質・地下環境研究部門

横山 信吾

サステナブルシステム研究本部 地質・地下環境研究部門

渡邊 保貴

サステナブルシステム研究本部 地質・地下環境研究部門

吉川 絵麻

サステナブルシステム研究本部 地質・地下環境研究部門

湊 大輔

サステナブルシステム研究本部 構造・耐震工学研究部門

宮川 公雄

電力中央研究所

大山 隆弘

サステナブルシステム研究本部 地質・地下環境研究部門

濱田 藍

サステナブルシステム研究本部 地質・地下環境研究部門

長岡 亨

サステナブルシステム研究本部 生物・環境化学研究部門

平野 伸一

サステナブルシステム研究本部 生物・環境化学研究部門

野口 晴生

サステナブルシステム研究本部 生物・環境化学研究部門

藤原 和俊

エネルギートランスフォーメーション研究本部 エネルギー化学研究部門

キーワード

和文英文
低レベル放射性廃棄物処分 Low-level radioactive waste disposal
人工バリア材料 Engineered barrier material
原位置試験 In-situ experiment
定期的評価 Periodic safety review
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