電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

R15001

タイトル(和文)

負荷グループ別の高調波電流が高調波電圧に及ぼす影響の定量的評価-第5次と第7次の比較-

タイトル(英文)

Quantitative Contribution by Each Different Load Group to the Harmonic Voltages in the Electric Power System- Comparison of the Fifth and the Seventh harmonic-

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

高調波電圧抑制対策を効果的に実施するためには発生原因を把握することが重要である。これまでに,第5次高調波については高圧需要家の三相負荷とそれ以外の負荷との間でキャンセル効果があることを明らかにし,受電電圧及び三相/単相で6分類した負荷グループ別の高調波電圧への影響を定量的に明らかにした。さらに第7次高調波についても同様の分析を行い,キャンセル効果を確認することが望まれていた。そこで,第7次高調波におけるキャンセル効果の存在を確認するとともに,負荷グループ別の第7次高調波電圧への影響を定量的に明らかにし,第5次高調波と比較した。
その結果,第5次高調波電流と同様に,第7次でも高圧需要家の三相負荷と低圧需要家の単相負荷では概ね反対の位相で発生していた。同じ負荷グループ内ではそれぞれの次数の高調波電流の発生位相は概ね反対であり,変圧器結線の組合せによるキャンセル効果の存在が確認できた。
高調波電圧と6つの負荷グループによる高調波電流のベクトル合成値がなるべく同じ時間推移になるように最小二乗法を用いて推定すると,第5次高調波電圧は昼間に大きく減少するが第7次では増加するという違いがあるにも関わらず,どちらも合成電流は高調波電圧の時間推移によく一致し,電力量比率は概ね同じ結果となった。
高圧三相とそれ以外の負荷の高調波電流の一日のベクトル軌跡は,第5次は約180度の開きがあるが第7次は約120度しかない。このため第7次高調波は第5次よりもキャンセル効果が小さく,第5次のように昼間に減少しないことが分かった。

概要 (英文)

Although the number of pieces of equipment that emit harmonic currents has increased, harmonic voltages in Japan have gradually decreased since about 1999. In addition, harmonic voltages are generally lower during the daytime when there is greater usage of different types of equipment that emit harmonic currents. As a first step, we showed that the reason for this phenomenon was that the phase angles of the harmonic currents emitted by the three-phase equipment of customers using a middle-voltage or high-voltage power supply and those by other equipment were almost opposite, and they canceled each other out.
And as a second step, we classified the different types of equipment into six groups depending on the number of phases (i.e., single-phase or three-phase) and the users' supply voltage and the ratio of the contribution of each group to the fifth harmonic voltage was then quantitatively clarified. As a third step, in this paper, we analyzed the seventh harmonic current in the same way as the fifth harmonic current. Time trends of the fifth and the seventh harmonic voltages are different but the estimated results of effective power of each group were almost same.

報告書年度

2015

発行年月

2016/04

報告者

担当氏名所属

雪平 謙二

システム技術研究所

岡田 有功

システム技術研究所 需要家システム領域

渡辺 雅人

東京電力技術開発センター 配電技術グループ

キーワード

和文英文
高調波電圧 Harmonic voltage
三相機器 Three-phase equipment
位相角 Phase angle
時間推移 Time trend
キャンセル効果 Cancel effect
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