報告書番号

R13003

タイトル（和文）

国内の変電所監視制御システムに対するIEC 61850の適用 －共通化を指向した機能仕様に基づく監視制御装置の試作と評価－

タイトル（英文）

An Application of IEC 61850 to Substation Automation Systems in Japan - Evaluations of Prototype Bay Control Units based on Functional Specifications for Multiple Utilities -

概要 （図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております）

国際規格であるIEC 61850 は，論理ノードと通信用メッセージを定めることで制御用計算機間の相互接続性を確保し，低コストかつ高信頼度の変電所監視制御システムを実現するために制定された。国内の変電所監視制御システムにIEC 61850 を適用する際には，論理ノードと監視制御機能を適切に対応付け，かつ，論理ノードの構成を共通化して複数の電力会社で利用可能とすることが重要である。これまでに，共通的に利用することを目指した送電線監視・開閉装置制御の論理ノード仕様（以下，機能仕様）を作成した。機能仕様の有用性を確認するためには，複数メーカーで装置を試作し，その機能と性能を検証することが必要である。そこで本報告では，機能仕様に基づき複数メーカーが試作した監視制御装置の機能と性能を検証し，機能仕様を評価する。主な成果試作した監視制御装置には，機能仕様に示された計測と開閉装置制御に関する論理ノードをすべて実装し，故障表示等の論理ノードは装置の物理的制約等に応じて可能な範囲で実装した。これらを，同一メーカーのテレコン子局等と組み合わせて，実験システムを構築した。また，試作した監視制御装置の機能と性能の検証を行うため，電力会社における監視制御システムの形式試験に相当する試験ケース（73 種類）を作成した。実験を行った結果，すべての試験ケースについて判定基準を満足する結果が得られた。
以上より，複数の電力会社が共通的に利用することを想定した機能仕様を利用した場合でも，同一メーカーのシステムであれば実運用に耐えうる装置を実現できる。

概要 （英文）

IEC 61850 series specifies elements of substation automation system (SAS) such as logical nodes as functional unit; hence a system designer needs to choose and weave them to satisfy user requirements. The authors have specified the logical nodes to monitor and control a transmission line and switchgears according to the policies that aim to produce an intelligent electronic device (IED) common for multiply utilities. This paper describes two prototypes of IEDs based on the specifications and their performance. The IEDs satisfied the performance requirements even though they implemented redundant functions. This suggests that the specification can be used to implement an IED commonly used by multiple utilities.

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