電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
R10042
タイトル(和文)
需要家機器との連携制御を用いた太陽光発電逆潮流制御方式-ヒートポンプ式給湯機翌日運転計画手法の実証試験と改良-
タイトル(英文)
Control Method for Reverse Power Flow of Photovoltaic Generation System- Demonstration Test and Modification of Operation Planning Method of Heat Pump Water Heater on Next Day -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
今後、太陽光発電(PV)を中心とした分散形電源が配電系統に大量に連系されると余剰電力が懸念される。その対策の一つとして、当所ではPVの出力時間帯に合わせヒートポンプ(HP)式給湯機を運転させる方式に着目し、これまでに数値シミュレーションに基づきPV出力や需要の予測の不確実性を考慮した需要家運用計画手法を提案した。本方式の確立に向けて、実証試験により手法の妥当性を評価し、明らかとなった問題点について改良する必要がある。
以上の問題を解決するため赤城試験センター需要家実験設備による年間を通じた実証試験を実施した。その結果、逆潮流しきい値が2kWの場合、日平均でHPの運転電力の60%を昼間時間帯に移行しPVにより供給することで、発電機会損失が48%低下でき、概ね計画通りの運転結果が得られた。一方、起動停止回数の増加によるHP式給湯機の効率の低下、短時間日射変動時の系統電力による沸き上げ、および給湯需要急増時に湯切れが発生する場合があることも判明した。よって、当日の給湯需要実績をふまえ、蓄熱残量が1時間後に湯切れと判定される下限しきい値を下回ると予測された場合に再計画(追いだき)を実施する逐次補正機能を作成・追加し、実証試験により機能動作を確認した。前日計画時に湯切れ防止のための下限しきい値を上げると夜間にお湯を沸かす割合が増えるため電気料金、発電機会損失ともに増加するが、提案手法では、殆どの場合にいずれも増加されることなく湯切れを防止できることを明らかにした。
また、起動停止回数制約条件と最小連続運転時間条件を新たに追加した。その結果、実証試験とシミュレーションによりPVの発電機会損失に大きな影響を及ぼすことなく、日間運転効率が平均20%向上することを確認した。
概要 (英文)
Surplus power from distributed generation systems such as photovoltaic (PV) generation will be concerned in case of large penetration into power distribution networks. We have proposed operation shift of Heat Pump (HP) water heater to daytime to reduce the surplus power and have developed an operation planning method for heat pump water heater considering uncertainty of forecast of PV output, heat and electric demand. We also have conducted simulation analysis to evaluate developed method. To establish this method, annual simulation and demonstration test have been conducted.
According to demonstration test at Akagi Testing Center and annual simulation analysis, loss of expected PV output has been reduced. However some maters have also concerned in case of validation of PV. Modification of planning and operation method such as operation frequency constraint and minimum operation time, re-planning in case of expected hot water shortage, assist by Battery (including Electric Vehicles) in case of validation of PV are introduced.
報告書年度
2010
発行年月
2011/11
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
浅利 真宏 |
システム技術研究所 需要家システム領域 |
協 |
小林 広武 |
システム技術研究所 需要家システム領域 |
協 |
鈴木 啓彦 |
システム技術研究所 需要家システム領域 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
太陽光発電 | Photovoltaic Generation |
ヒートポンプ式給湯機 | Heat Pump Water Heater |
エネルギー有効利用 | Efficient Use of Energy |
遺伝的アルゴリズム | Genetic Algorithm |