電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

R08025

タイトル(和文)

需要家機器との連携制御を用いた太陽光発電逆潮流抑制方式 -予測の不確実性を考慮したヒートポンプ式給湯機の運用計画法-

タイトル(英文)

Control method for reverse power flow of Photovoltaic Generation system - Operation Planning for heat pump water heater in accordance with uncertainty forecast -

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

今後、太陽光発電(PV)を中心とした分散形電源が配電系統に大量に連系されることが予想される。当所では逆潮流による配電系統の電力品質の低下等への対策として、需要地系統技術を開発1)してきたが、更なる導入増への対策の一つとしてPVの出力時間帯に合わせ負荷機器等を適切に運転する需給協調方策を提案している。ヒートポンプ(HP)式給湯機の連携運転はその一つである。PV出力に加え、電力・給湯需要が日によって大きく変動することから、これらの不確実性を考慮した適切な運用計画手法を開発する必要がある。そこで、給湯・電力需要、PV出力の予測の不確実性を考慮して、湯切れ防止等需要家の便益を確保する条件で、逆潮流抑制と電力コスト最小化を図る、HP式給湯機と蓄電池の翌日運用計画手法を開発したエネルギーコストを最小化するHP式給湯機と蓄電池の翌日最適運用計画手法を開発した。
提案手法は、給湯・電力需要、PV出力の各予測パターンにおいて、統計データにもとづいた複数のシナリオを想定し、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いて、各シナリオに対して逆潮流抑制条件と湯切れ防止を満足する複数の運用計画の中より、コストが最小となる運用計画を高速で抽出するものである。
逆潮流が特に問題となる中間期(5月)を対象に、電力・需給需要の実データを用い、蓄電池容量をパラメータとした各日の運用シミュレーションを行い、単一のシナリオで計画を行った場合との比較を行った。
その結果、複数シナリオで計画を行った場合、逆潮流量はほぼ許容範囲に収まるとともに、電力コストは、単一シナリオの場合と比較して月間合計で15%程度低下した。これは、主にPV出力予測が外れた場合に、昼間の系統電力によるHP式給湯機の運転を行うリスクを低減できることによるものである。
以上により、開発手法の有効性を検証した。

概要 (英文)

Many distributed generation systems such as photovoltaic (PV) generation systems will be penetrated into power distribution networks. We have proposed Anonymous Demand Area Power System (ADAPS) to keep power quality in distribution network in case of increased surplus power flow. Furthermore, we are proposing a cooperated management of customer in accordance with PV output. Management of hot water supply system with heat pump system is one of them. However, we have to make operation planning considering uncertainty of forecast of PV output, heat and electric demand.
We develop optimal management plan for efficient use of photovoltaic generation output with heat pump system and battery storage. This plan can prevent shot of hot water in least expensive cost concerning multiple scenarios corresponding to uncertainty of predication. Genetic algorism is also used in this method. Simulation analysis using this planning is also conducted.

報告書年度

2008

発行年月

2009/08

報告者

担当氏名所属

浅利 真宏

システム技術研究所 需要家システム領域

所 健一

システム技術研究所 情報数理領域

小林 広武

システム技術研究所 需要家システム領域

伊藤 正幸

システム技術研究所 需要家システム領域

キーワード

和文英文
太陽光発電 Photovoltaic Generation
蓄電池 Battery Storage
ヒートポンプ式給湯機 Heat Pump Water Heater
エネルギー有効利用 Efficient Use of Energy
遺伝的アルゴリズム Genetic Algorism
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