電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

R07029

タイトル(和文)

太陽光発電用パワーコンディショナの運転安定化技術の開発 - 系統位相急変時における単独運転検出機能の不要検出防止法 -

タイトル(英文)

Development of Islanding Detection Measure for PV Power Generation to Achieve Stable Operation in Sudden Phase Change of the Grid Voltage

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

分散形電源の導入系統において、配電線ルート切替え等による電圧位相急変が発生すると、単独運転検出受動的方式の不要検出により、分散形電源が一斉解列する可能性がある。この結果、大量導入時には、配電線電圧の適正範囲からの逸脱を招いたり、系統の安定性に影響を及ぼすおそれがある。
このため、本研究では、不要検出防止と迅速・確実な単独運転検出を両立させる方策を検討し、以下の結果を得た。
(1) 国内代表9社、計10機種の太陽光発電用PSCを対象に、位相急変試験を実施した。その結果、7割の機種において、実際に起こりうる10度以下の位相急変で、単独運転検出受動的方式の不要検出により停止することが判明した。一方、検出時限として、検出しきい値逸脱の継続時間を考慮している機種は不要検出せず、適切な検出時限を設けることが不要検出防止面での有効な方策であることを検証した。
(2) 現状の周波数変化率検出方式において、周波数変化率を2サイクルの周波数移動平均値から求めるとともに、同変化率が移動平均サイクル数の2倍以上継続してしきい値を逸脱した場合に検出する改良方式を提案した。EMTPシミュレーションの結果、他の受動的方式と比較評価した結果、提案方式が不要検出防止と迅速・確実な単独運転検出の双方を最も満足することを確認した。また、実験用インバータ電源により提案方式を実証評価し、設計通りの動作が得られることを検証した。以上により、提案方式が有効であることを明らかにした。

概要 (英文)

Penetration of the Distributed Power Generation (DG) is growing up in resent years. When sudden phase change of the grid voltage occurs caused by distribution line route change etc., DG, PV power generation mainly, may stop the operation simultaneously by incorrect operation of passive type islanding detection installed in each PV. The simultaneous stoppage may influence excessive voltage drop and/or stability of the grid. In the study, we investigate an improved detective function of islanding with which both certain islanding detection and prevention of incorrect detection in normal condition can be achieved. As the results of investigation including experimental study using typical Power Conditioning Subsystems (PCS) for PV, a new islanding prevention measure using frequency change rate detection is proposed. Moving average method in 2 cycles and proper timer of 4 cycles are adopted in the measure. The validity of the proposed measure in combination with the frequency shift method as an active islanding prevention measure is confirmed by EMTP simulation and demonstration test.

報告書年度

2007

発行年月

2008/07

報告者

担当氏名所属

小林 広武

システム技術研究所 需要家システム領域

伊藤 正幸

システム技術研究所 需要家システム領域

キーワード

和文英文
分散形電源 Distributed Power Generation
系統安定性 System Stability
単独運転検出方式 Islanding Detection Measure
太陽光発電用パワーコンディショナ PCS for PV Power Generation
電圧位相急変 Voltage Phase Step Change
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