報告書番号

R07023

タイトル（和文）

ソフトウェアプロジェクトの定量的評価とプロジェクトベンチマーキングの枠組み

タイトル（英文）

A study on framework for quantitative evaluation and benchmarking of software development/maintenance projects

概要 （図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております）

情報システムの中核であるソフトウェアを開発・保守するソフトウェアプロジェクトを成功させるためには，定量的な評価手法を用いてソフトウェアプロジェクトを可視化し，厳密に管理していく必要がある。しかし，ソフトウェア開発・保守には，生産性や品質に影響を及ぼすプロジェクト変動要因が多く，定量的評価が難しい。また，プロジェクトの見積り・管理を高度化するためには，収集したプロジェクト実績データを組織内及び組織横断で蓄積し，ベンチマーキングによって有効活用していくことが重要である。
本報告では,ソフトウェアプロジェクトの定量評価とベンチマーキングに関する課題を明らかし，課題を解決して的確な評価を可能にするための新たな枠組みを提案する。その概要は以下の通りである。
1．定量評価とベンチマーキングに関する課題と改善の方向性
ソフトウェアプロジェクトの定量評価とベンチマーキングの現状における課題を明らかにし，改善の方向性を明らかにした。
2．プロジェクトの諸変動要因を加味しやすい評価の枠組みの提案
ソフトウェアプロジェクトに対し，要件，プロセス，成果物の三者からなる評価対象モデルを提案した。この評価対象モデルを用いれば，要件とプロセスと成果物の対応関係，プロジェクトの様々な変動要因の影響先と相互依存関係，を細かく分類して分析できる。これによって分析対象範囲を局所化すれば一度の分析で扱うべき対象が絞り込める。このため，データ蓄積の少ない組織でも，従来より複雑な定量評価（見積り，生産性評価，品質評価など）が実施可能になる。
3．ソフトウェアプロジェクトのベンチマーキング環境の提案
ある組織内，または組織横断で効果的なベンチマーキングを行うための枠組みとベンチマーキングのプロセスを定め，実績データ，計測・分析ツール，分析ノウハウのデータベース化の要件を提案した。
今後は，提言した枠組みと要件に基づくベンチマーキング環境のパイロットシステムを試作して高度な定量評価，ベンチマーキングを効率よく実施できるかを評価していく。また，メトリクス計測や定量分析のツールとノウハウの蓄積を行っていく。

概要 （英文）

It is one of the most important issues on software engineering to enable software development and maintenance project to be evaluated and managed by using quantitative software metrics. Quantitative evaluation method visualizes software and its project from various viewpoints.
This report proposes a new framework for evaluating software and its development projects more efficiently and effectively. A new IT project model is proposed in this framework, which consists of requirements structure, project process, information system structure, and software structure. This model can be used to classify project-driving factors and localize into a few specific components, where various factors can be built-in into estimation/evaluation fomula.
This report also proposes general requirements for project benchmarking environment, which mainly focus on internal benchmarking in an organization.

報告者

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