電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
R07013
タイトル(和文)
需要地系統におけるエネルギー需給運用の検討-需給インターフェイスによる制御方式と効果-
タイトル(英文)
Study on Energy Demand and Supply Management in Autonomous Demand Area Power System - Control Method and Effect by Demand Supply Interface -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
近年では、環境問題への対応や省エネルギーのニーズに伴い、自然エネルギー発電やコージェネレーションなど分散形電源の導入が進んでいる。特に自然エネルギー発電には、二酸化炭素排出量の削減やエネルギーセキュリティの観点からも期待が持たれている。しかし、配電系統への分散形電源の導入量が増えると逆潮流が発生し、ローカルでは電圧上昇、全体では上位系への逆潮流などの問題が起こる場合があるため、電力品質面での対策が必要である。分散形電源導入時の対策として、当所では「需要地系統技術」を提案し、ループコントローラと通信インフラの設置による系統側での対策と、分散形電源の無効電力制御による分散形電源側での対策について検討してきた。しかし、系統側の対策では分散形電源の導入量拡大とともに対策コストも増大すること、分散形電源側の対策やパワエレ機器を用いる系統側の対策では、無効電力制御を用いるために力率が低下して配電損失が増加することが課題となる。そこで、これらの対策に加えて、蓄電池や負荷を用いた需給運用による対策も行うと、コストや配電損失の面で効率的な対策が可能となり、将来的に分散形電源の導入量がさらに拡大した場合にも対応可能となると考えられる。配電系統に太陽光発電など分散形電源が導入された場合に蓄電池や負荷を運用する技術については、系統負荷平準化によるピーク削減を目的とした検討や配電線の電圧変動抑制や周波数変動抑制を目的とした検討は行われているが、配電線の逆潮流を抑制するための需給運用方法についての検討も必要である。そこで、本報告では、配電線の逆潮流を抑制することを目的とした蓄電池と負荷の需給運用について検討する。このとき、蓄電池と負荷の需給運用についての検討手法として既開発の「分散形電源需給運用解析プログラム」を用いる。また、蓄電池や負荷を用いた需給運用方式は、当所が開発している「需給インターフェイス」を用いる方式とし、需要家単位で個別にローカル運用する方式と通信を用いて配電線単位で集中運用する方式をそれぞれ提案する。これらの需給運用方式についての解析検討を行い、蓄電池と負荷の需給運用による逆潮流抑制効果について検証する。
概要 (英文)
In recent years, installed capacity of distributed generation is increasing. When the capacity of distributed generations is increased, power quality problems will be occurred because of the reverse power flow from the distributed generations. To cope with such problems, Autonomous Demand Area Power System (ADAPS) is proposed and demonstrated by CRIEPI. In case the penetration capacity of the distributed generations becomes larger, to combine the demand and supply management by batteries and loads with ADAPS may be more effective.
In this paper, methods of demand and supply management by batteries and loads are proposed. The methods are the local control method and the centralized control method. To evaluate the possibility of demand and supply management, the amount of reverse power flow with the proposed demand and supply management methods are considered.
報告書年度
2007
発行年月
2008/06
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
八太 啓行 |
システム技術研究所 需要家システム領域 |
共 |
浅利 真宏 |
システム技術研究所 需要家システム領域 |
共 |
小林 広武 |
システム技術研究所 需要家システム領域 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
需給インターフェイス | Demand Supply Interface |
分散形電源 | Distributed Generation |
需給運用 | Demand and Supply Management |
需要地系統 | Autonomous Demand Area Power System |
蓄電池 | Battery |