電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Q10004

タイトル(和文)

太陽光発電のリアルタイム発電出力把握技術の開発 -有効日射強度の推定手法-

タイトル(英文)

Development of the technologies for prediction of real-time PV power generation - Prediction method of effective irradiance -

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

太陽光発電(PV)が電力系統に大量連系した場合、電力系統を安定運用するためには、リアルタイムの発電出力把握が必要になり、実用を考えると容易に観測できる気象データから高精度に把握するための技術開発が重要である。そこで、様々な種類のPV出力を正確に把握するためには、日射強度の波長分布を示す分光放射照度の影響を考慮した有効日射強度を把握する必要がある。しかしながら、分光放射計は非常に高価で多地点で観測を行うことは難しく、より観測な容易なデータからPV出力を推定する技術が必要である。本研究では、赤城試験センターに観測システムを構築し、斜面全天日射強度、分光放射照度等の計測を約1年間継続した。また、その観測結果より有効日射強度を求め、斜面全天日射強度と比較するとその差は最大で約20%の幅で分布し、比例関係にないことを定量的に明らかにした。さらに、日射の理論と観測結果から有効日射強度と斜面全天日射強度の主な2つの乖離要因を分析し、それらの要因と天気・太陽高度との関係を定量化することができた。この分析結果から多項式近似を行い、斜面全天日射強度と時刻・緯度経度等の基本情報から有効日射強度を推定する手法を開発した。本手法により算出した推定有効日射強度は、斜面全天日射強度を単純に有効日射強度と置換える場合に比べ、過大評価の割合が減少する特徴があり、標準偏差が約14%改善した。また、光吸収端波長注を選択することで様々な材料の太陽電池の出力推定に対応可能である。

概要 (英文)

The effective irradiance was examined from analyses of observation results of the solar irradiance. We have carried out observations of the global and the spectral solar irradiance from August 2009 to July 2010. Differences of effective irradiances from global solar irradiances were estimated about 200W/m2 for a light observation cut wavelength of 710nm and 100W/m2 for a light observation cut wavelength of 1161nm. Dependence of the solar elevation and the weather on the average photon energy of the solar spectral irradiance was indicated. We have also discussed prediction of the effective irradiance.

報告書年度

2010

発行年月

2011/05

報告者

担当氏名所属

川崎 憲広

材料科学研究所 エネルギー変換・貯蔵材料領域

宇佐美 章

材料科学研究所 エネルギー変換・貯蔵材料領域

キーワード

和文英文
有効日射強度 Effective irradiance
全天日射強度 Global solar irradiance
分光放射照度 Spectral solar irradiance
天気 Weather
太陽高度 Solar altitude
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