電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

Q09018

タイトル(和文)

軽水炉水化学研究への適用性評価に向けた錯体熱分解法による人工スピネル酸化物の作製-NiCr2O4焼結体合成とPWR一次系停止時模擬環境下での安定性評価-

タイトル(英文)

Formation of artificially spinel oxide by complex decomposition method for the applicability evaluation to the study of LWR water chemistry -Stability estimation for artificially-synthesized NiCr2O4 in PWR primary shutdown environment-

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

錯体熱分解法によりスピネル酸化物(NiCr2O4)を合成し、その焼結体をPWR1次系停止時模擬環境中に浸漬し、水溶液中での安定性を調べた結果、以下のようなことがわかった。
①原料として硝酸ニッケルおよび硝酸クロム、錯形成剤としてオクタン酸を用いた錯体熱分解法により、不純物としてCr2O3を含む高純度NiCr2O4の合成が可能である。
②PWR1次系停止時模擬溶液中での浸漬試験の結果、NiCr2O4焼結試験体の重量減少量は、焼結体全体の0.5%程度と小さく、浸漬試験前後で微細な凹凸は消失するが、試験片組成や表面形状には大きな変化がない。
③以上のことから今回の方法で作成したスピネル酸化物は、スピネル酸化物の溶解挙動を評価するために十分な機械的安定性を有する。

概要 (英文)

NiCr2O4 specimens were synthesized by complex decomposition method and subsequent sintering. Its structural property and dissolution behavior of the specimens under simulated PWR primary water shutdown condition were investigated. The main results were as follows:
(1) The compactness for highly pure NiCr2O4 sintered compact, which is contained Cr2O3 as impurity, can be formed.
(2) The percentage of weight loss of NiCr2O4 specimen after the immersion test was about 0.5 %, and no apparent change in surface morphology of the NiCr2O4 specimen was observed.
(3) It is concluded that the spinel specimens synthesized in the present work can be used in water chemistry study under LWR coolant conditions although the synthesis method has still room to be sophisticated.

報告書年度

2009

発行年月

2010/05

報告者

担当氏名所属

渡辺 恵司

材料科学研究所 原子力材料領域

藤原 和俊

材料科学研究所 原子力材料領域

堂前 雅史

材料科学研究所 原子力材料領域

葛谷 俊博

室蘭工業大学 大学院工学研究科

平井 伸治

室蘭工業大学 大学院工学研究科

キーワード

和文英文
錯体熱分解法 Complex Decomposition Method
NiCr2O4 NiCr2O4
スピネル酸化物 Spinel oxide
腐食生成物 Corrosion Product
浸漬試験 Immersion Test
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