電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

NR24001

タイトル(和文)

運転中保全ガイドライン(2024年改訂版) -適用範囲拡大(複数系統同時実施等)-

タイトル(英文)

On-Line Maintenance Guideline (rev.2024) -Expansion of scope of application (simultaneous implementation of multiple systems etc.) -

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

背  景
安全性確保及び経済性の向上による原子力の継続利用のためには、設備利用率向上にむけた保全作業の品質向上が有効であることから、そのアプローチとして原子炉の運転中に設備の点検・補修を実施する「運転中保全(On-Line Maintenance)」に係るプロセス等を示した「運転中保全ガイドライン」[1]を2023年に取りまとめた。このガイドラインでは、運転中保全を単一系統について同一運転サイクルにおいて1回のみ実施することを前提としており、その後、事業者より複数系統での同時実施や同一運転サイクル内での複数回実施等への適用範囲拡大の要望が出されていた。
目  的
運転中保全の適用範囲拡大に対する事業者ニーズを踏まえ、複数系統同時に運転中保全を実施する場合の考慮事項や同一運転サイクルにおいて同一系統の運転中保全を複数回実施する場合の考慮事項を取り入れることにより、「運転中保全ガイドライン」を改訂する。
主な成果
 以下に示す運転中保全適用拡大の考慮事項を取り入れて「運転中保全ガイドライン」を改訂した。運転中保全の全体プロセスにおけるこれらの考慮事項の検討箇所を図1に示す。
1. 複数系統同時に運転中保全を実施する場合の考慮事項
複数系統同時に運転中保全を実施する場合特有の考慮事項として、保安規定において同時の待機除外時に要求される措置がプラント停止ではないこと、設計基準事故対処設備(DB設備)の安全系では同区分(同一トレイン)内での系統のみ実施する等、健全な区分(トレイン)を維持すること、リスク評価結果におけるリスクレベルが「緑」であることを満足する場合のみ実施できることとした。
2. 同一運転サイクルにおいて同一系統の運転中保全を複数回実施する場合の考慮事項
同一運転サイクルにおいて同一系統の運転中保全を複数回実施する場合は、系統毎につき1サイクルにおける合計の待機除外時間がAOT(要求される措置の完了時間)内となるように行うこととした。また、各運転サイクルにおいて、全ての運転中保全作業による待機除外から得られた情報について、次サイクル以降に反映し活用することとした。

概要 (英文)

The continued use of nuclear power is essential to achieve carbon neutrality, and its economic efficiency is one of the important factors for utilities to determine whether they continue to use nuclear power. Therefore, efforts to improve facility utilization are important to this goal. By improving the quality of maintenance, it is possible to improve facility utilization ratio by avoiding plant shutdowns caused by troubles during power plant operations.
The objective of this report is to provide a guideline that helps Japanese utilities to establish an on-line maintenance program. The provided guideline describes the on-line maintenance process, risk assessment and risk management measures to be taken in performing on-line maintenance program. This report summarizes the roles of each department of the power plant in each process. Also, the report defines the criteria and risk levels in risk assessment. Finally, the report organizes risk management measures corresponding to the risk levels.
In addition, this report revises the "On-Line Maintenance Guideline" compiled in 2023 by adding considerations for implementing on-line maintenance on multiple systems simultaneously and for implementing on-line maintenance on the same system multiple times during the same operating cycle etc.

報告書年度

2024

発行年月

2024/07

報告者

担当氏名所属

吉田 瑞城

原子力リスク研究センター リスク情報活用推進チーム

川口 渉

原子力リスク研究センター 企画運営チーム

桜本 一夫

原子力リスク研究センター リスク情報活用推進チーム

キーワード

和文英文
運転中保全 On-Line Maintenance
確率論的リスク評価 Probabilistic Risk Assessment
決定論的評価 Deterministic Assessment
リスク評価 Risk Assessment
リスク管理措置 Risk Management Measure
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