電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
NR22010
タイトル(和文)
アンアベイラビリティデータ収集実施ガイド -緩和系性能指標(MSPI)ベースライン値編-
タイトル(英文)
Unavailability data collection guide - For mitigation system performance index (MSPI) baseline -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
当所では、我が国におけるリスク情報を活用した意思決定(RIDM)に必要な確率論的リスク評価(PRA)用のパラメータを整備するため、国際的なPRA標準[1]に則ったデータ収集方法と体制の構築を進め、パラメータ評価手法の技術検討を行っている。PRA用機器信頼性パラメータのうち、構造物、系統及び機器が供用不能状態となっている時間の割合を示すパラメータはアンアベイラビリティ(UA)である。各プラントのPRAで考慮しているUAは、その対象系統やバウンダリの定義がプラント間で異なるため、PRA用の一般UAの整備には多くの調整を要する。一方で、原子力エネルギー協議会(ATENA)の安全実績指標(PI)に関するガイドライン[2]では、緩和系性能指標(MSPI)用のUAは対象系統・バウンダリが明確に定義されている。
目 的
国内プラントを対象としたMSPI評価に必要なUAの産業界平均値(MSPIベースライン値)の整備に向けて、UAの評価に必要なデータ(UAデータ)として、UAの分子となる供用不能時間(UA時間)と分母となる露出時間の収集方法を取りまとめる。
主な成果
1. 収集対象系統における代表機器の設定
ATENAのガイドラインにて選定されている収集対象系統に対して、UAデータの収集単位(収集区分)とする各系統のトレン数に対応する代表機器を設定した(表1)。このうち、原子炉補機冷却水系・原子炉補機冷却海水系については、ポンプ、クーラではなく、ヘッダを代表機器として設定した(図1)。
2. UAデータ収集手順および収集様式の整備(図2)
(1) UA時間の抽出・整理
設定した収集対象期間内に実施した機器の保守作業の中から抽出するUA時間としての必要な3条件(①収集対象系統のバウンダリ内、②各収集区分の機能への影響あり、③原子炉臨界中)を整理し、その抽出過程に対応する収集様式を整備した。
(2) 露出時間の抽出・整理
対象プラントにおける、収集対象期間内の原子炉臨界時間の集計値と、各収集対象系統の収集区分(トレン)数に対応した収集様式を整備した。
今後の展開
本実施ガイドに従ってMSPIベースライン値を整備する。また、PRA用の一般UAの整備を目的としたデータ収集方法を取りまとめる。
概要 (英文)
In order to develop parameters for probabilistic risk assessment (PRA) of nuclear power plants, which is necessary for risk-informed decision making (RIDM) of nuclear power plants in Japan, NRRC has been developing a data collection method and system in accordance with international PRA standards and examining parameter estimation methods. Among the parameters to be considered, the parameter corresponding to the condition of equipment being out of service is unavailability (UA). In this report, the data collection method is developed to estimate the industry average UA values for mitigation system performance index baseline evaluation, for which the target systems of UA and their boundary definitions are currently clarified. This report provides UA data collection procedure and the data collection format sheets for extracting and organizing the UA time and exposure time.
報告書年度
2022
発行年月
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
米田 公俊 |
原子力リスク研究センター |
共 |
吉田 智朗 |
原子力リスク研究センター |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
確率論的リスク評価 | Probabilistic Risk Assessment |
アンアベイラビリティ | Unavailability |
緩和系性能指標 | Mitigation System Performance Index |
UA時間 | UA time |
露出時間 | Exposure time |