電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
N16
タイトル(和文)
我が国の地質的特徴を踏まえたCO2地中貯留技術の開発
タイトル(英文)
Development of basic technologies for CO2 geological storage considering geological characteristics in Japan
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
当所では我が国の地質構造の特徴を考慮して、CO2の地下貯留に関する基礎的な現象の把握や要素技術の開発を進めており、本研究によりこれまで得られた主な成果は以下のようである。国内外の動向調査では、CCSの開発や普及に対して各国政府が財政支援を行っているが、石油増進回収におけるCO2の地中貯留を除くと、コストや地域住民の反対などの問題から大規模なプロジェクトが休止や中止となった例もあり、これらの課題等についてまとめた。CO2地中貯留技術の開発では、(1)これまで開発してきたCO2地中貯留に関するサイト評価技術、挙動評価技術の実用性を確認するため、豪州のCO2貯留候補地に適用した。その結果、現地の地震探査結果や、当研究所で実施した岩石試験結果に基づき水理地質構造モデルを構築し、このモデルを用いてCO2を圧入した場合のCO2の分布域を数値シミュレーションにより予測した。(2) 陸域や海洋中でのCO2のモニタリング手法について、種々の岩石試料を用いてCO2の圧入による比抵抗値の変化を計測した。また、海域でのCO2検知およびモニタリング方法の提案を行った。(3) 深さ1,000m、坑底温度約200℃の坑井へのCO2溶解水注入実験により、地下高温環境下に注入したCO2が比較的短時間で鉱物化するとともに、その周辺岩盤の透水性が低下し、CO2を鉱物化させ安定化させて貯留できる可能性が示された。(4) CO2の輸送についてCO2圧入設備を搭載した船舶によるCO2シャトル輸送システムの技術的およびコスト的な実施の可能性を検討し、本システムにより貯留地点選定に関する自由度が拡大できることなどを示した。
概要 (英文)
In this research, we collected information of the latest CCS activities in Japan and the world and developed fundamental technologies for storing CO2 into underground considering characteristics of geological structures in Japan. By applying these technologies, a geological and hydrological model was constructed for the CO2 storage proposed site in Australia through the collaboration between ZeroGen and CRIEPI. Underground CO2 distribution during and after CO2 injection into underground at the ZeroGen's CO2 storage site was predicted by the numerical simulation with the model. Physical property changes of rock samples were measured during CO2 injection into the samples. Some CO2 monitoring methods on land and in the sea were proposed. From the CO2 dissolved water injection tests, it was observed that carbonate minerals were produced and permeability of rock decreased. CO2 transportation by shuttle tankers with CO2 injection pumps was studied for technical and economical practicability. This CO2 transportation system may be useful for selecting CO2 storage sites.
報告書年度
2011
発行年月
2012/05
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
海江田 秀志 |
地球工学研究所 地圏科学領域 |
共 |
末永 弘 |
地球工学研究所 地圏科学領域 |
共 |
下田 昭郎 |
環境科学研究所 大気・海洋環境領域 |
共 |
田中 姿郎 |
地球工学研究所 地圏科学領域 |
共 |
窪田 健二 |
地球工学研究所 地圏科学領域 |
共 |
津旨 大輔 |
環境科学研究所 大気・海洋環境領域 |
共 |
伊藤 久敏 |
地球工学研究所 地圏科学領域 |
共 |
鈴木 浩一 |
地球工学研究所 地圏科学領域 |
共 |
下島 公紀 |
九州大学 |
共 |
窪田 ひろみ |
環境科学研究所 環境リスク評価領域 |
共 |
坪野 考樹 |
環境科学研究所 水域環境領域 |
共 |
仲敷 憲和 |
環境科学研究所 水域環境領域 |
共 |
横山 隆壽 |
環境科学研究所 |
共 |
大隅 多加志 |
地球工学研究所 地圏科学領域 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
二酸化炭素回収貯留 | Carbon dioxide capture and storage |
二酸化炭素地中貯留 | CO2 geological storage |
二酸化炭素移行 | CO2 migration |
鉱物固定 | Mineral trap |
船舶輸送 | Ship transportation |