電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

N08051

タイトル(和文)

雄勝高温岩体への二酸化炭素注入による鉱物化固定に関する原位置実験

タイトル(英文)

Field experiments for studying on CO2 sequestration in mineral at Ogachi HDR site

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

地球温暖化対策として二酸化炭素(CO2)を地下に貯留する場合、比較的温度の高い地域では、注入したCO2と岩盤が反応して、CO2が炭酸塩鉱物(方解石)として比較的早く固定される可能性がある。そこで、秋田県湯沢市の雄勝実験場において、深さ1,100m、坑底温度約230℃の坑井にCO2の溶解水を注入し、岩盤との反応および方解石の結晶成長について調べた。その結果、CO2溶解水の注入後、数時間のオーダーで坑井内の水のCa濃度が増加し、重量比3%濃度のCO2溶解水では最大85.2mg/Lとなることが判った。さらに、方解石のサンプルを高温の岩盤内のCO2溶解水中に1時間程度浸した結果、サンプル表面の結晶が1時間で最大約1μm成長したことが判った。以上のことから、高温の岩盤中にCO2を注入すると、岩盤からCaが溶け出し、方解石として鉱物化する可能性が示された。

概要 (英文)

The purpose of this research is to study on sequestering CO2 in solid carbonate minerals. CO2 dissolved in water was injected into an open hole interval of a 1,100 m depth well which was drilled into a Hot Dry Rock (HDR) geothermal reservoir. The bottom hole temperature was measured around 230 degree C. Ca concentration of the water sampled at 1,030 m depth increased to a maximum of 85.2 mg/L in a few hours after CO2 dissolved water (3wt%) injection. Calcite precipitation on calcite crystals set in CO2 dissolved water at 850 m in the well was observed within a few hours. The maximum precipitation rate on the calcite crystal surface was measured 1 micro-meter in one hour. These results showed that CO2 injected into high temperature rock could be stored in mineral at relatively higher speed than that expected so far.

報告書年度

2008

発行年月

2009/07

報告者

担当氏名所属

海江田 秀志

地球工学研究所

窪田 健二

地球工学研究所 地圏科学領域

伊藤 久敏

地球工学研究所

大隅 多加志

地球工学研究所 地圏科学領域

若浜 洋

地球環境産業技術研究機構

三戸 彩絵子

地球環境産業技術研究機構

伊藤 由紀

地球工学研究所 地圏科学領域

キーワード

和文英文
二酸化炭素 Carbon Dioxiside
高温岩体 Hot Dry Rock
鉱物固定 Mineral trap
方解石 Calcite
地中貯留 Underground storage
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