電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
M18002
タイトル(和文)
ガスタービン高温部品のフローネットワーク解析に関する調査
タイトル(英文)
Flow network approach for estimating air distribution at gas turbine hot parts
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背景
ガスタービン(GT)の動静翼や燃焼器などの高温部品の保守管理コストの低減には、運転に伴う損傷の原因を究明することが不可欠である。これには冷却空気やシール空気などの流量配分、また、燃焼用空気の配分に基づいて部品の温度分布や応力分布を推定し、その結果と損傷状況とを突き合わせることが必要である。GTの設計では高温部品の形状と圧力バランスを制御する綿密なフローネットワーク(流量配分)解析を行い、冷却空気やシール空気など最適な流量配分を実現しているが、その具体的な方法を示した公開文献は見当たらない。一方、近年、産業用X線CT注 )の普及により、GT高温部品の形状・構造が把握できるようになり、GTユーザがフローネットワーク解析を高温部品の寿命評価に適用できる技術的環境が整ってきた。
目的
フローネットワーク解析手法について調査し、GTユーザ自身が簡便に行うことができる手法をまとめる。更に、その解析手法について検証し、精度を向上させる具体的な方法を示す。
主な成果
(1) フローネットワーク解析に不可欠な圧力損失係数の推定方法
管路網設計の考え方に基づくフローネットワーク解析手法について調査し、GTの静翼、動翼および燃焼器に対する具体的な解析モデルを示した。また、フローネットワーク解析に不可欠なGTの多種多様な冷却構造の圧力損失係数を推定する方法について網羅的にまとめた。
(2) 解析手法の検証
冷却構造や圧力などの設計情報が公開されているGT静翼を対象に、本フローネットワーク解析手法を適用した。その結果、設計情報には示されていない絞りなどの機構を仮定することで、解析により得られた流量配分は公開された設計情報とほぼ一致した。
(3) 解析精度を向上する方法の検討
フローネットワーク解析の更なる精度向上のために、実験と組み合わせて解析精度を向上する方法を提案した。更に、誤差要因となる流体の温度変化や圧縮性の影響についても検討し、誤差を低減する方法を示した。
概要 (英文)
In fluid machineries the flow rate at each passage are controlled by (fixed) orifices or (variable) valves, based on mass and energy conservations. In the gas turbine (GT) the bleed air from the compressor prevent the surging, cooling air for hot parts, and sealing air are distributed in accordance with elaborate flow network design. GT users could not investigate the flow network designs because they depend deeply on their configurations of flow passage in GT. However, recently the detail internal configurations of GT hot parts are visualized using X-ray computed tomography. Concomitantly, although the flow circuit is unable to analyze for whole GT, The configuration data might make the partial flow network analysis available to GT users. And these flow network analyses might promote greater understanding or unraveling mechanism of the troubles cause by cooling. In this report the comprehensive yet concise commentaries on the cooling design concept and their pressure losses are provided. In addition, same brief practical example about the flow network analysis for air cooled GT hot parts are also presented.
報告書年度
2018
発行年月
2019/02
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
西田 啓之 |
エネルギー技術研究所 次世代火力発電領域 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
ガスタービン | Gas turbine |
高温部品 | Hot parts |
冷却技術 | Cooling technology |
フローネットワーク | Flow network |
流量配分 | Air distribution |