電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
M12007
タイトル(和文)
フライアッシュ造粒固化物への未焼成貝殻砕粉の添加効果 -固化物強度への影響-
タイトル(英文)
The influence of uncalcinated pulverized-shell as an additive on compressive strength of solidification material with fly ash
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
我が国の石炭火力発電所では,年間800万トンを超えるフライアッシュ(FA)が排出され今後も増大する傾向にあることから,恒常的かつ大量に処理可能な技術が求められている。当所では,このFAを用いた海・水域の養浜等に適用可能な砂礫の製造技術の開発を進めている。とくに本研究では海域で恒常的に毎年数10万トン廃棄される貝殻をFAの硬化に必要なカルシウム源として活用することを考えている。この貝殻含有FA固化物を土工材として用いるためには,まずは用途に対して要求される材料強度を満足させる必要がある。そこで,本研究では,未焼成の貝殻砕粉の混合がFA固化物の材料強度に与える影響について検討し,固化物に対する貝殻混合の効果について検討した。
その結果を以下に示す。
1.貝殻の形態で炭酸カルシウムを混合することが強度増大に効果的である。
2.貝殻の混合量を調整することによって要求される固化物強度に調整できる可能性が示された。
3.貝殻の粉砕粒径120μm程度でもこれまで使用してきた36μmと同等の大きな強度が得られ,貝殻含有FA固化物の製造コスト増への影響を
小さくできることがわかった。
4.貝殻は,緻密で硬い板状の炭酸カルシウムが積層していることから強度と靭性を両有する。さらに固化物中で細長い貝殻粒子が
一定方向に並んで硬化するため,貝殻の混合により固化物の強度が増大したと考える。
概要 (英文)
The amount of fly ash (FA) increases year by year, and the development of a new FA usage in which
FA can be used in large quantities is required because of a decrease in the number of public works
and in the amount of increase ash-dealing costs.
In this study, to develop the civil engineering material which can be used for environmental
restoration of the seashore which used FA solidification without adding cement, the influence of
uncalcinated shell powder as an additive on compressive strength of solidification material is
investigated.
報告書年度
2012
発行年月
2013/06
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
日恵井 佳子 |
エネルギー技術研究所 燃料高度利用領域 |
共 |
伊藤 茂男 |
エネルギー技術研究所 |
協 |
山本 武志 |
地球工学研究所 構造工学領域 |
協 |
井野場 誠治 |
環境科学研究所 環境化学領域 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
石炭灰の有効利用 | Utilization of coal fly ash |
貝殻副産物 | By-product of Shells |
造粒固化物 | Solidification material |
圧縮強度 | Compressive strength |