電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
M12005
タイトル(和文)
3t/日石炭ガス化研究炉を用いたCO2富化ガス化特性の評価 -給炭量比とCO2濃度の影響-
タイトル(英文)
Evaluation of CO2 Enriched Gasification Characteristics Using 3t/d Bench Scale Coal Gasifier -Influence of Coal Distribution Ratio and CO2 Concentration-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
当研究所で開発中の「CO2回収型高効率IGCCシステム」では、排ガスのCO2をガス化剤として循環させる酸素-CO2吹きガス化炉を用いている。酸素-CO2吹きガス化では投入CO2によるチャーのガス化反応促進効果がある一方、CO2のモル比熱が高いことなどから、CO2投入量に応じて炉内温度分布が変わり、ガス化反応が抑制される場合もあることが明らかとなっている。CO2によるガス化反応の促進効果を発揮する適切な運転条件を把握するには、コンバスタ部とリダクタ部各々で炉内温度のガス化反応への影響を詳細に評価することが重要である。これまでに、ガス化剤中酸素およびCO2濃度がガス化性能に及ぼす影響について検討したが、さらに主要な運転条件の一つである給炭量比(R/T)の影響を解明する必要がある。そこで、3t/日石炭ガス化研究炉を用いて、ガス化炉への全給炭量、酸素比、およびコンバスタ温度を一定とし、R/TならびにCO2濃度を変化させたガス化試験を行い、以下の結果を得た。
・CO2濃度がほぼ一定の条件で試験を行い、主なガス化性能である炉内炭素転換率および冷ガス効率が最大となるR/Tが存在することが明らかとなった。
・R/Tを減少させると、リダクタへ供給する石炭による吸熱が減少して、リダクタバーナ近傍での温度が上昇し、リダクタでのガス化反応が促進される一方、コンバスタ酸素比は低下するため、コンバスタ炭素転換率の低下が見られ、R/Tに対しコンバスタとリダクタで相反する挙動を示すことがわかった。
・R/Tを調整することで炉内温度低下によるチャーのガス化反応の低下を抑えることができ、CO2によるガス化反応の促進効果を発揮する条件が拡大することが明らかとなった。
概要 (英文)
An innovate integrated coal gasification combined cycle power generating system (IGCC) with CO2 capture whose plant thermal efficiency is very high is developed in Central Research Institute of Electric Power Industry (CRIEPI). An oxygen-CO2 blown gasifier supplying CO2 in exhaust gas is adopted in this system. It was shown clearly that CO2 supplying promotes the char gasification reaction in the Oxygen-CO2 blown gasification. On the other hand, there are also conditions which inhibit the char gasification reaction. For getting a grasp of suitable conditions which work on the char gasification reaction by CO2 supplying. An influence of O2 and CO2 concentrations in the gasifying agent on the gasification performance was investigated in the last fiscal year. We investigated influences of the coal distribution ratio on the gasification performance. As a result, a tendency of cold gas efficiency when CO2 is enriched in the gasifying agent had a difference by coal distribution ratio. It becomes clear that there exists a condition of maximum gasifier efficiency for the coal distribution ratio and CO2 concentration of the gasifying agent.
報告書年度
2012
発行年月
2013/05
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
濱田 博之 |
エネルギー技術研究所 高効率発電領域 |
共 |
木戸口 和浩 |
エネルギー技術研究所 高効率発電領域 |
共 |
梶谷 史朗 |
エネルギー技術研究所 高効率発電領域 |
共 |
沖 裕壮 |
エネルギー技術研究所 高効率発電領域 |
共 |
梅本 賢 |
エネルギー技術研究所 高効率発電領域 |
共 |
梅津 宏紀 |
エネルギー技術研究所 高効率発電領域 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
石炭ガス化複合発電 | IGCC |
石炭ガス化 | Coal Gasification |
CO2ガス化 | CO2 Gasification Reaction |
ガス化性能 | Gasification Performance |
CO2回収貯留 | CCS |