電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
L06012
タイトル(和文)
溶融塩電解法による金属燃料からのZr回収技術の開発―液体Cd電極上でのZrの電気化学挙動―
タイトル(英文)
Development of a process to recover Zr from metallic fuel by molten salt electrolysis -Electrochemical behavior of Zr on liquid Cd electrode-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
金属燃料中に10 wt%含まれているZrは、電解精製工程において、電気化学的に溶解あるいは物理的に落下することにより電解槽中に蓄積するため、その回収法の開発が求められている。既に、Zr金属を固体陰極上に析出させ回収できることは示されているが、Zrの回収効率向上のため、析出物の電極からの脱落、および均化反応によるZr金属の再溶解を低減することが課題である。一方で、陰極に液体Cdを用いることにより、析出したZrがCdと合金を形成し電極からの散逸が低減されると同時に、Zrの活量低下により均化反応の抑制が期待される。しかしながら、液体Cd陰極上でのZrの電気化学挙動に関する詳細な検討はなされていない。そこで本研究では、溶融LiCl-KCl中において液体Cd電極上にZrを析出させた時の、析出物の化学形態、物理形態、電流効率等を明らかにすることを目的とした。-1.03 V (vs. Ag+/Ag) 定電位電解を行ったところ、Cd電極上に密着性のよい電析物が得られた。X線回折による分析の結果、この電析物はCd2Zr合金であることが確認された。また、電析物断面を観察したところ、電析物形状は樹枝状であり、電析物は電解時間の経過と共に鉛直上方に成長していることが分かった。得られた電析物を硝酸に溶解した後、ICP-AESにより電析物中のZr量を測定したところ、Cd2Zr生成の電流効率は約89%と求められた。
概要 (英文)
In order to develop a process to recover Zr from spent metallic fuel, electrochemical behavior of Zr on liquid Cd electrode was investigated in LiCl-KCl-ZrCl4 melts at 773 K. Dendritic deposits were obtained on the liquid Cd electrode after potentiostatic electrolysis at -1.03 V (vs. Ag+/Ag). The deposits were confirmed to be Cd2Zr alloy from XRD. The adhesion of Cd2Zr to Cd bath was high enough. From ICP-AES analysis of the deposits, the current efficiency for Cd2Zr formation was calculated to be 89 %.
報告書年度
2006
発行年月
2007/05
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
村上 毅 |
原子力技術研究所 次世代サイクル領域 |
共 |
加藤 徹也 |
原子力技術研究所 次世代サイクル領域 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
金属燃料 | Metal fuel |
乾式再処理 | Pyrochemical reprocessing |
ジルコニウム | Zirconium |
溶融塩電解 | Molten salt electrolysis |
液体カドミウム電極 | Liquid cadmium electrode |