電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

H20009

タイトル(和文)

新型LLS実証機の性能評価(1)-東京スカイツリーへの落雷の2020年度観測結果を用いた雷パラメータの推定-

タイトル(英文)

Evaluations of the validation system for advanced LLS(1) -Lightning parameters estimations by using observations of lightning strokes hitting Tokyo Skytree in 2020-

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

[背 景]
現在、各電力会社で送配電線の保守点検に活用されている落雷位置標定システム(Lightning Location System : LLS)には、落雷位置の標定や、電荷量、電流波高値や電流峻度といった雷パラメータの推定に課題がある。そこで、当所では、これらの課題を解決する新型LLS実証機の開発を行い、夏季雷の観測を行ってきた。開発の次の段階として、東京スカイツリーへの落雷などの落雷位置や雷撃電荷量などが既知の落雷事例を基に、開発した新型LLS実証機による落雷位置標定の妥当性や電荷量などの雷パラメータ推定の妥当性の評価が求められている。

[目 的]
新型LLS実証機の推定結果の妥当性評価を行うため、東京スカイツリーへの落雷事例を用いて、ロゴスキーコイル[2]の電流観測結果から求めた落雷位置、雷撃電荷量、雷撃電流波高値や雷撃電流峻度と新型LLS実証機の推定結果を比較する。

[主な成果]
1. 新型LLS実証機による東京スカイツリーへの落雷観測
2020年8月13日の東京スカイツリーへの落雷事例において、新型LLS実証機の4観測点(浅草、横須賀、寄居、赤城)のうち有効な観測データから、第一雷撃4例、後続雷撃11例の計15例の事例についいて落雷位置標定、雷撃電流波高値および雷撃電流峻度の推定を行うことができた。また、雷撃電荷量に関しては、信号がノイズレベルを下回った事例を除く7例について推定を行うことができた。
2. 新型LLS実証機の雷パラメータ推定の妥当性評価
上記の落雷事例について、ロゴスキーコイルでの電流観測結果から求めた雷パラメータと新型LLS実証機による推定結果の比較を行った。その結果、雷撃電荷量推定結果については、ロゴスキーコイルでの電流観測結果から求めた値に対し新型LLS実証機で-40 %~+20 %の範囲で推定ができた。さらに、雷撃電流波高値、と雷撃電流峻度の推定結果についてもそれぞれ-20 %~+50 %、-50 %~+50 %の範囲で推定ができた。

概要 (英文)

Currently, Lightning Location Systems (LLS) are under operation by each electric power company in Japan for use in maintenance and inspection after the lightning strikes. However, location error range by LLS is up to several hundreds of meters and lightning charge estimation is not available which required for identifications of high-risk lightning. Therefore, advanced LLS, which can locate striking points within several tens of meters and estimates lightning transferred charge, is required for labor saving and developed in the previous research report. As the next stage of advanced LLS development, evaluation results of lightning parameter estimations by developed validation system for advanced LLS is needed. In this report, evaluation results of lightning stroke locations, transferred charge estimation, lightning peak current and lightning current steepness are reported. Evaluations were made by comparing the measurement results of Rogowski coil installed at the Tokyo Skytree, and observation results of lightning strokes hitting Tokyo Skytree by validation system for advanced LLS.

報告書年度

2020

発行年月

2021/07

報告者

担当氏名所属

工藤 亜美

電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域

齋藤 幹久

電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域

三木 貫

電力技術研究所 気体絶縁・放電現象領域

三木 恵

電力技術研究所 塩原実験場

キーワード

和文英文
落雷位置標定システム Lightning Location System
電荷量 Estimated charge transfer
電流波高値 Peak Current
電流峻度 Current steepness
東京スカイツリー Tokyo Skytree
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