電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

H20008

タイトル(和文)

新型落雷位置標定システム(新型LLS)の開発(2)-数値電磁界解析を用いたアンテナ感度の校正法の検討および電流パラメータ推定機能の実装-

タイトル(英文)

Development of the advanced Lightning Location System (LLS) (2) - Consideration of antenna sensitivity calibration by numerical electromagnetic field analysis and implementation of the estimation function for current parameters-

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

[背 景]
現在、各電力会社で送配電線の保守点検に活用されている落雷位置標定システム(Lightning Location System : LLS)には、落雷位置の標定や、電荷量、電流波高値や電流峻度といった雷パラメータの推定に課題がある。そこで、当所では、これらの課題を解決する新型LLS実証機の開発を行ってきた。開発の次の段階として、新型LLS実証機の機器設置時の作業の削減や定量的な設置候補地点の選定作業のため、受信電界強度の感度校正を省力化する手法の開発が求められている。また、新型LLS実証機のシステムとして、開発時点では実装されていなかった電流波高値や電流峻度などの雷パラメータの推定機能の実装が必要である。

[目 的]
新型LLS実証機の設置時の校正作業の省力化のため、数値電磁界解析による受信電界の事前感度計算手法を開発する。また、新型LLS実証機に、新たに電流波高値および電流峻度の推定機能を実装する。

[主な成果]
1. 数値電磁界解析による受信電界の事前感度計算手法の開発
従来、新型LLS実証機の設置時に現地での煩雑な作業を必要とした受信電界の感度校正作業を、設置作業前に数値電磁界解析手法で概算しておくことで省略する手法を開発した。本手法は、モーメント法を用いて、感度校正に用いる標準電波を仮定した遠方の送信源から到来する受信電界レベルを計算し、観測値からの換算値を求めるものである。電界受信アンテナ周囲の地形(山)や構造物(建築物)を考慮することにより、電界受信感度の計算結果は実測値とよく一致することを明らかにした。これにより、施工時の感度校正作業の省略が可能となり、さらに従来経験的に行っていた新型LLS設置場所の候補の検討も定量的に行うことができる。

2. 新型LLS実証機への雷撃電流波高値および雷撃電流峻度推定機能の実装
これまでに開発した推定手法を基に、落雷データごとに位置標定結果および第一雷撃・後続雷撃の判定結果を考慮し、人の手を介さず自動で雷撃電流波高値および雷撃電流峻度を推定する機能を新たに新型LLS実証機に実装した。また、実装した機能を用いて雷撃電流波高値および雷撃電流峻度を推定した。

概要 (英文)

Currently, Lightning Location Systems (LLS) are under operation by each electric power company in Japan for use in maintenance and inspection after the lightning strikes. However, location error range by LLS is up to several hundreds of meters, several transmission towers or several tens of poles of distribution lines are in this range. Moreover, lightning charge estimation is additionally required for identifications of high-risk lightning. Therefore, advanced LLS, which can locate striking points within several tens of meters and estimates lightning transferred charge, is required for labor saving and developed in the previous research report.
In this report, the alternative method of the electric field sensitivity pre-calibration using numerical calculation is considered for simplify installation at observation point. In addition, mounting of the new function which estimates lightning parameters such as current peak amplitude and current steepness for lightning protection designs of electric power equipment is reported.


報告書年度

2020

発行年月

2021/06

報告者

担当氏名所属

工藤 亜美

電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域

齋藤 幹久

電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域

三木 貫

電力技術研究所 気体絶縁・放電現象領域

三木 恵

電力技術研究所 塩原実験場

キーワード

和文英文
Lightning
落雷位置標定システム Lightning Location System
感度校正 Sensitivity calibration
電流波高値 Current peak
電流峻度 Current steepness
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