電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
H20005
タイトル(和文)
無線周波電磁界の人体ばく露評価システムの開発(その2) -ICNIRPガイドラインの改訂に伴う短時間ばく露評価システムの開発-
タイトル(英文)
Development of Assessment System for Human Exposure to Radiofrequency Electromagnetic Fields (No. 2) -Assessment of Brief Exposure Based on the Newly Revised ICNIRP Guideline-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
スマートメータの通信などに用いられる無線周波(RF)電磁界の人体安全性評価の拠りどころとして,国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)による人体防護ガイドラインが広く参照されている。当所では,無線機器周辺のRF電磁界により体内に生じる比吸収率(SAR)を計算する「RF電磁界ばく露評価プログラム」を開発し,同ガイドラインへの適合性確認を可能としてきた。今般,同ガイドラインは,第5世代移動通信システム(5G)等に用いられる,急峻な強度の変化を伴うパルス性のRF電磁界への適用を考慮し,短時間(6分未満)のばく露(以下「短時間ばく露」)の指標が導入されるなど大幅な改訂がなされた。この新ガイドラインへの適合性評価例は少なく,無線機器周辺のパルス性のRF電磁界の適合性評価手順の明確化と評価システムの開発が求められている。
目 的
RF電磁界の新ガイドラインにおける短時間ばく露への適合性評価手順を明確にし,評価システムを開発する。
主な成果
1.RF電磁界の人体ばく露に関する新ガイドラインへの適合性の評価手順の明確化
新ガイドラインでは,ばく露の区分として,従来の「全身ばく露」および「局所ばく露」に加え,積分時間(通信時間に相当)が6分未満と短い無線機器周辺のパルス性のRF電磁界に対し,新たに「短時間ばく露」の区分が設けられ,その基本制限として「局所SA」が,参考レベルとして「入射エネルギー密度」が新たに導入された。この短時間ばく露に対し,新ガイドラインへの適合性を示すための評価手順を明確化した。本評価手順では,まず,無線機器の諸元(周波数,波長,発生源の最大寸法,送信電力,積分時間)に基づき,周辺電界の測定または局所SAの数値計算を行う。これらの値を短時間ばく露の基本制限または参考レベルと比較し,新ガイドラインへの適合性を評価することができる。
2.新ガイドラインへの適合性評価システムの開発
明確化した評価手順を元に,新ガイドラインへの適合性評価システムを開発した。測定に基づく評価システムでは,無線機器周辺電界を測定し,電界から換算した電力密度の時間積分により等価平面波のエネルギー密度を求め,参考レベルとの比較を行う。数値計算に基づく評価システムでは,新たに機能を追加したRF電磁界ばく露評価プログラムを用いて,局所SARの時間積分により局所SAを求め,基本制限との比較を行う。なお,本評価システムの適用例として,市販のスマートメータ(AC100 V単相3線式,920 MHz無線マルチホップ方式)を対象として,新ガイドラインへの適合性評価を行った。
概要 (英文)
報告書年度
2020
発行年月
2021/07
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
椎名 健雄 |
電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域 |
共 |
山崎 健一 |
電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
無線周波電磁界 | Radiofrequency Electromagnetic Field |
スマートメータ | Smart Meter |
人体 | Human Body |
SA | Specific Absorption |
電磁界測定 | Electromagnetic Field Measurement |