電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
H18009
タイトル(和文)
送電用鉄塔の腐食等に対する健全性評価技術に関する研究 -第Ⅱ期(2015~2018)の成果-
タイトル(英文)
Study on Soundness Assessment Techiniques for Aged Transmission Tower - Research results in a Second Phase (2015-2018) -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背景
我が国の 1960 年代から 1970 年代の経済成長期に大量に建設された送電用鉄塔が、 2020 年代には約半数が経年 50 年を超えることとなり、経年による腐食劣化への対策が一層重要となってきている。このような状況の中、電力会社では、設備実態や立地環境に応じた維持管理フローを定め、効率的な管理を進めている。一方、設備更新時期の集中が懸念されており、保全実務を支援し、一層の省力化を実現できる保守点検技術が望まれている。これらを踏まえ、当所では 2012 年度より腐食劣化という観点に着目して研究に着手し、第Ⅰ期(2012~2014年度)ではこの要素技術の獲得・技術情報の整理を行った注1)。
目的
送電用鉄塔の腐食劣化対策に資するため、第Ⅰ期で得た要素技術を組み合わせ、腐食量推定手法および検査・診断技術を構築・開発する。
主な成果
第Ⅰ期で整理した技術情報をもとに、図1 に示す維持管理フロー(例)に対応する技術課題に対して、以下の成果を得た。
1. 腐食量推定手法
鉄塔立地点毎の劣化度合いを評価するために、腐食に関係する環境因子のマップ化を図り、腐食量推定式から求めた腐食マップ(図 2)による評価手法を構築した。また、海塩による送電用鉄塔外面の方位別腐食量評価の手法を構築した。これらの手法は、巡視・点検や塗装による補修等の保守計画策定に活用可能である。
2. 検査・診断技術
点検高度化に向けて、塗装すべき経年鉄塔の選定に役立つ劣化ランク簡易判定手法を開発した(図 3)。また、耐荷性能評価のために、腐食条件から残存耐荷力を算出可能なツールを開発した。これらの技術は、部材の交換、塗装による補修判断等の保守計画策定に活用可能である。
今後の展開
第Ⅱ期で構築した各評価手法・技術の現場での実務適用性検証を行う。得られた成果を体系化し、保全実務を支援できるマニュアル(図1)をとりまとめる。
注1) 石川他,「送電用鉄塔の腐食等に対する健全性評価技術に関する研究―第Ⅰ期(2012-2014)の成果-」電力中央研究所報告N24,2016.
概要 (英文)
Transmission towers built during the years of Japan's high economic growth have gradually aged over the years, and these structures now require the standardization of their efficient repair and rebuild. CRIEPI has embarked a research program to contribute the streamlining of the maintenance for the aged transmission towers, under the cooperation of all Japanese electric power companies. Elemental information and technologies were consolidated in the program's first stage that was conducted from 2012 to 2014. The second stage of the program has built the evaluation methods by combining the elemental technologies. The methods built in this stage were the one to assess the aging in tower locations by the regional evaluation, the one to evaluate the aged position of the tower by closed evaluation, and the one to evaluate the changes in loading capacity. Inspection and measurement methods were also established in this stage. This comprehensive report describes such results obtained during 2015 to 2018.
報告書年度
2018
発行年月
2019/06
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
堀 康彦 |
電力技術研究所 気体絶縁・放電現象領域 |
共 |
谷 純一 |
材料科学研究所 |
共 |
足立 和郎 |
電力技術研究所 |
共 |
石川 智已 |
地球工学研究所 構造工学領域 |
共 |
服部 康男 |
地球工学研究所 流体科学領域 |
共 |
大原 信 |
環境科学研究所 大気・海洋環境領域 |
共 |
朱牟田 善治 |
地球工学研究所 構造工学領域 |
共 |
須藤 仁 |
地球工学研究所 流体科学領域 |
共 |
速水 洋 |
環境科学研究所 大気・海洋環境領域 |
共 |
布施 則一 |
電力技術研究所 固体絶縁・劣化現象領域 |
共 |
長沼 淳 |
材料科学研究所 電気化学領域 |
共 |
正木 浩幸 |
環境科学研究所 環境化学領域 |
共 |
福冨 広幸 |
材料科学研究所 構造材料領域 |
共 |
大石 祐嗣 |
電力技術研究所 |
共 |
佐藤 雄亮 |
地球工学研究所 構造工学領域 |
共 |
石野 隆一 |
エネルギーイノベーション創発センター デジタルトランスフォーメーションユニット |
共 |
安本 憲司 |
材料科学研究所 電気化学領域 |
協 |
平口 博丸 |
地球工学研究所 |
協 |
中尾 圭佑 |
地球工学研究所 流体科学領域 |
協 |
北野 慈和 |
地球工学研究所 流体科学領域 |
協 |
河村 浩孝 |
材料科学研究所 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
送電用鉄塔 | Transmission tower |
維持管理 | Maintenance |
大気腐食 | Atmospheric corrosion |
点検 | Inspection |
データベース | Data base |