電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
H18001
タイトル(和文)
配電用自動化機器の雷害対策に関する検討―施設方式が雷サージ様相に与える影響の実験的評価―
タイトル(英文)
Study on lightning protection measures of automation equipment for power distribution lines-Experimental evaluation of the effect of installation method on lightning surge aspect-
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
背 景
配電用自動化子局(以下,子局)および配電用自動開閉器(以下,開閉器)は,配電用自動化機器(以下,自動化機器)と称され,配電系統事故時に事故区間を配電線から除外することで,停電範囲を縮小する役割を担っている[1]。
また,近年では,付帯機能として,配電系統の電圧・電流の測定機能を持つセンサ内蔵型の自動化機器も開発されており,今後は,その役割の更なる拡大が見込まれる[1]。一方,自動化機器は,内部に多くの電子回路を有しており,雷に対する脆弱性が懸念される[2]。自動化機器は,同機器内部を通過する雷電流(電荷量)によるバリスタの焼損および接地線の溶断を要因として故障[3]に至る事例が多く[4],同機器の雷故障抑制には,同機器内部を通過する電荷量の低減が重要となる。しかしながら,自動化機器の施設方式と配電線への雷撃時に同機器内を通過する電荷量の関係についてはまだ充分に検討されておらず,同機器の雷故障抑制に効果的な施設方式の選定のためには,これらの関係を明確にする必要がある。
目 的
自動化機器の施設方式と配電線への雷撃時に同機器内を通過する電荷量の関係を実験的に明らかにするとともに,雷故障の抑制に効果的な施設方式を提案する。
主な成果
電力中央研究所塩原実験場の12MV 衝撃電圧発生装置と試験配電線路を用いて,自動化機器の施設方式(子局の電源供給方式,接地方式)と雷電流(電荷量)の分流様相の関係を実験的に明らかにした。主な結果は以下のとおりである。
1. 子局の電源供給方式と自動化機器内部を通過する電荷量との関係子局の電源供給方式は,子局と同一柱に施設された子局電源専用の変圧器から子局に電源を供給する方式(以下,同一柱方式),および子局と別柱に施設された一般用変圧器
から低圧線を介して子局に電源を供給する方式(以下,別柱方式),に大別される(図1)。同一柱方式では,別柱方式に比べ,配電線雷撃時に,自動化機器内を通過する電荷量が小さい(図2)。
2. 自動化機器の接地方式と自動化機器内部を通過する電荷量との関係配電線雷撃時に,自動化機器内を通過する電荷量は,子局,開閉器,子局電源用変圧器の接地線を複数の箇所で接続(図1(a))する場合に比べ,これらの接地線を1 点で接続
(図3)する場合の方が小さい(図4)。
概要 (英文)
Remote terminal units and automation switches, referred to as automation equipment, are useful for reducing the power outage time of the electric distribution systems. However, automation equipment comprises many sensitive electronic devices, raising concern about their vulnerability to lightning. In this study, we report experimental results on how the lightning current flows through automation equipment, and the fact that this depends on its installation system when lightning strikes the distribution systems. The major results are shown below.
(1) The main cause of the failure of the automation equipment is lightning current flowing through the equipment. In order to reduce the lightning current flowing through the automation equipment, it is important to install the automation equipment and pole-mounted transformers at the same pole.
(2) In order to reduce the lightning current flowing through the automation equipment, it is important to connect grounding conductors of the automation equipment and pole-mounted transformers at the same point.
報告書年度
2018
発行年月
2018/07
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
原 慎吾 |
電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域 |
共 |
石本 和之 |
電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域 |
共 |
浅川 聡 |
電力技術研究所 塩原実験場 |
共 |
新井 伸隆 |
電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域 |
共 |
森 亮太 |
電力技術研究所 サージ・電磁気現象領域 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
配電線 | Distribution lines |
耐雷設計 | Lightning protection design |
配電用自動化機器 | Automation equipment for distribution systems |
雷サージ | Lightning surge |
接地方式 | Grounding system |