電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)
報告書データベース 詳細情報
報告書番号
H14001
タイトル(和文)
77kV架空送電線用低コスト・高強度続流遮断型アークホーンの開発(その1) - プロトタイプの開発 -
タイトル(英文)
Development of Low-cost High-strength Fault Current Interrupting Arcing Horns for 77 kV Overhead Transmission Lines (Part 1) - Development of Prototypes -
概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)
続流遮断型アークホーンは落雷に伴う故障電流を瞬時に遮断する雷害対策装置であり,停電や瞬時電圧低下の低減に大きな貢献を果たしている。77kV架空送電線用の続流遮断型アークホーンには地絡電流遮断型(以降,地絡型)と短絡電流遮断型(以降,短絡型)とがあり,実線路に導入されてから約10年が経過している。近年,短絡型には酸化亜鉛型避雷アークホーンよりも大幅な低コスト化や,地絡型には系統最大の短絡電流が流れても破損しないような強度向上が求められている。そこで,数値流体解析による遮断部内部構造の検討,短絡試験による遮断電流や強度の評価,インパルス試験による鳥害防止ホーンとの絶縁性能比較等を通じて,低コスト型と高強度型の2つのプロトタイプを開発した。低コスト型プロトタイプについては,遮断部内部の圧力を求める数値流体解析や超音速流を生み出すラバルノズルの設計方法を活用して,遮断に有利と考えられる最適な遮断部内部構造を明らかにし,遮断部の取り付け本数を,現行短絡型の2本(接地側と線路側の両方)から1本(接地側のみ)へと簡素化した。これにより,鉄塔1相での導入コストが,現行短絡型の50%程度となり,低コスト化を達成した。高強度型プロトタイプについては,低コスト型プロトタイプに,アークの熱に伴う遮断部内部の圧力を低減する圧力開放穴と,過大な短絡電流が流れた際にアークの経路を遮断部の外部に移行させて遮断部の損傷を軽減する招弧ホーンを施設した。これにより,遮断部が破損しない最大の電流値が,現行地絡型の10kAから15kAへと大きくなり,強度向上を実現した。
概要 (英文)
Fault Current Interrupting Arcing Horns are a countermeasure against lightning damage which act to break fault current instantaneously, and greatly contribute to reducing power interruption and instantaneous voltage drop. In this report, we have challenged both analytical and experimental studies such as computational fluid dynamics, short-circuit tests and impulse tests, and have improved the Fault Current Interrupting Arcing Horns for 77kV overhead transmission lines aimed at reducing the cost and enhancing the strength.
報告書年度
2014
発行年月
2015/02
報告者
担当 | 氏名 | 所属 |
---|---|---|
主 |
大高 聡也 |
電力技術研究所 高エネルギー領域 |
共 |
岩田 幹正 |
電力技術研究所 高エネルギー領域 |
共 |
五島 久司 |
企画グループ |
共 |
粟津 隼人 |
関西電力株式会社 電力システム技術センター 架空送電グループ |
共 |
表 智康 |
関西電力株式会社 電力システム技術センター 架空送電グループ |
共 |
中西 達也 |
日本カタン株式会社 技術部 設計技術課 |
共 |
上村 健太郎 |
日本カタン株式会社 技術部 設計技術課 |
共 |
上原 実 |
日本カタン株式会社 技術部 設計技術課 |
キーワード
和文 | 英文 |
---|---|
続流遮断型アークホーン | Fault Current Interrupting Arcing Horns |
架空送電線 | Overhead Transmission Line |
雷 | Lightning |
アーク | Arc |
数値流体力学 | Computational Fluid Dynamics |