電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

H13002

タイトル(和文)

原子力発電所格納容器内より採取された安全系ケーブル絶縁体の統計的機械特性経年変化解析

タイトル(英文)

Statistical Analysis of Aging Trend of Mechanical Properties in Ethylene Propylene Rubber-insulated Safety-related Cables Sampled from Containments

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

原子力発電所の安全系ケーブルについては,その設計想定事象耐性を含めた運転全体での健全性が型式試験の結果で担保されている。最近では,沸騰水型原子炉格納容器内で20年間程度使用された実機ケーブルについても,その十分な健全性が確認されている。一方,加速劣化試験結果から実環境での絶縁体経年変化を予測する手法については,種々の熱・放射線効果を考慮しているが,一部種類のエチレンプロピレンゴム絶縁体等の評価では上記実態との乖離が見られた。本報告では,上記実機破断伸び評価結果を統計解析し,最新の劣化予測手法で短命とされたエチレンプロピレンゴム絶縁体の沸騰水型原子炉格納容器内での高経年劣化特性の解明を試みた。まず,実機絶縁体の破断伸びデータを,劣化予測手法で寿命が約12.8年と推定された60℃,10mGy/h相当の経年数へ換算し,この環境下での経年変化として統計解析を行なった。ここで得られた経年変化特性を参照曲線として個々の実機破断伸びデータに当てはめ,経年変化によりこれらが70%になる寿命終点を算出した。この寿命と劣化予測手法による推定寿命を実機温度領域で比較した結果,後者の推定寿命は実際より短く見積もっていることが示唆された。このように実機データより新たに見積もられた寿命が従来の推定に比べて長いのは,沸騰水型原子炉格納容器内での低酸素濃度雰囲気が劣化抑制効果を持つためと考えられる。これを踏まえ,酸素濃度の影響を解明し,劣化予測手法の基礎となる絶縁体劣化モデルから向上を図る必要があると考えられる。

概要 (英文)

As for polymeric insulations used in nuclear power plant safety cables, it is known that the present prediction model sometimes estimates the service life conservatively. In order to sophisticate the model to reflect to the aging in containments, disconnections between the prediction and realities are needed to be clarified. In the present paper, statistical analysis has been carried out on various aging status of insulations removed from domestic containments. Aging in operational environment is found to be slower than the one expected from acceleration aging test results. Temperature dependence of estimated lifetime on Arrhenius plot also suggests that elementary chemical reaction dominant under the two aging conditions is different, which results in apparent difference in activation energies and pre-exponential factors. Following two kinds of issues are found necessary to be clarified for the model sophistication; temperature change in predominant degradation chemical processes, and the effect of low oxygen concentration environment in boiling water reactor type containment.

報告書年度

2013

発行年月

2013/12

報告者

担当氏名所属

布施 則一

電力技術研究所 高電圧・絶縁領域

金神 雅樹

電力技術研究所 高電圧・絶縁領域

三坂 英樹

電力技術研究所 高電圧・絶縁領域

本間 宏也

電力技術研究所 高電圧・絶縁領域

岡本 達希

電力技術研究所

キーワード

和文英文
沸騰水型原子力発電所 Boiling water reactor power plant
安全系ケーブル絶縁体 Insulations in safety-related cables
エチレンプロピレンゴム Ethylene propylene rubber
実機経年変化 In-service aging states
寿命推定技術 Lifetime estimation techniques
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