電力中央研究所

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報

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報告書番号

H12008

タイトル(和文)

高融点土壌のプラズマ溶融処理に適した融点降下剤

タイトル(英文)

Appropriate flux in plasma melting process of soil with high melting point

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

プラズマ溶融技術は、超高温を発生でき、大きな減容比で核種閉じ込め性に優れた固化体を作製できるなどの特長を有しているため、原子力発電所の運転、定期点検および関連工事に伴って発生する低レベル放射性廃棄物の処理に実用化されている。その中で、土壌等の難溶融物に対する処理技術基準は、相平衡状態図による融点の推定と燃焼加熱による流動性の確認等に基づいて、廃棄物中の混合割合の制約を設けており、プラズマ溶融による確認は十分になされていない。今後、プラズマ溶融処理の対象となる廃棄物を拡大するため、土壌等の難溶融物への適用性を明らかにする必要がある。
本報告では、プラズマ溶融処理の高融点土壌への適用・拡大に資するため、代表的な融点降下剤(CaO、MgO、Na2B4O7、酸化鉄)を選定し、これら降下剤の含有量を変化させ、熱力学平衡計算により融点の推定を推定した。その結果を基に、100kW級プラズマ溶融処理設備において、溶融処理後のスラグの出湯性、溶融処理中のダスト濃度およびCs蒸発速度定数から、適切な融点降下剤の種類および添加量を見出した。その結果、適切な融点降下剤はCaOであり、その添加量は約30wt%である。さらに、当所が開発したCs蒸発挙動を推定するモデルが適用できることを明らかにした。

概要 (英文)

The high-temperature melting process using plasma which is commercially operated for low level radioactive solid wastes can produce waste forms with high volume reduction ratio and can stabilize radio nuclides. The Japanese technical criterion for the commercial plasma melting plant restricts mixing ratio of high temperature wastes such as soil to the total weight of inorganic wastes. This criterion is decided based on the estimation of the melting points of the mixed inorganic wastes from a phase equilibrium diagram and the fluidity of the mixed inorganic wastes melted in combustion furnace. Therefore, actual treatment of the high temperature wastes such as soil is not enough. In order to expand the kind of low level radioactive solid wastes by plasma melting, the applicability of the high melting points wastes to the plasma melting method should be clarified.
This report presents the selection of the flux such as CaO, MgO, Na2B4O7, and iron oxide (Fe2O3 and FeO) to lower melting point of soil, the appropriate range of adding ratio by a thermodynamic equilibrium calculation and the evaluation of their effects on discharge performance of molten bath, dust concentration and the vaporization rate constants of Cs with 100kW class plasma melting system. Finally, we conclude that CaO is the best flux to melt soil among the selected ones and the additive amount of about 30wt% and clarify the applicability of estimation approach at the vaporization rate constants of Cs.

報告書年度

2012

発行年月

2013/05

報告者

担当氏名所属

神足 将司

電力技術研究所 高エネルギー領域

古川 静枝

電力技術研究所 高エネルギー領域

池田 弘一

電力技術研究所 高エネルギー領域

天川 正士

電力技術研究所 高エネルギー領域

キーワード

和文英文
プラズマ溶融 Plasma melting
融点降下剤 Flux
高融点 High melting point
土壌 Soil
セシウム Cesium
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