電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

H09021

タイトル(和文)

密閉容器内のアークによる圧力上昇シミュレーション手法の開発

タイトル(英文)

Development of simulation method of pressure rise due to arc in a closed container

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

電力流通機器内部において万一の故障によりアークが発生すると,内部圧力が上昇し機器が破損することなどが懸念される。本報告書では,実機器の故障条件を想定し,密閉容器内でアークを発生させた実験を行うとともに,CFDによるシミュレーションを行い以下の成果を得た。
(1)アークエネルギーを予測するためのアーク条件および電極条件,アークが発生する容器条件を設定することにより,容器内の圧力上昇の三次元分布の経時変化を計算できるシミュレーション手法を開発した。
(2)配電系統で想定されている短絡電流範囲(最大12.5 kA)および実機器の容積規模における実験を行い,圧力上昇最大値のシミュレーション結果との比較を行った。両者には5%程度の差異は見られるもののほぼ同じ値であり,シミュレーション手法の妥当性を確認した。
以上により,密閉容器内のアークによる圧力上昇特性を予測するためのシミュレーション手法を開発できた。

概要 (英文)

When a fault arc occurs in an electrical installation, the pressure in it increases due to the energy input from the arc into the gas. For reasons of public safety, it is necessary to clarify the properties of pressure rise in closed compartments, like underground cable ducts, junction boxes and closed switchgear. In this report the experiments and the 3-D CFD calculations regarding the pressure rise in a closed container are carried out. In the calculations kp times arc energy is fed into the container locally. The kp is a portion of arc energy leading to pressure rise. The materials of the electrodes are Cu, Fe and Al, respectively. The arc current is 1 – 12.5 kA, the container volume 0.32 – 0.71m3 and the arcing duration 0.1 s. These conditions cover a broad range of applications. The main results are as follows. A simulation method for calculating 3-D distribution of pressure rise in the container is developed. The simulation input conditions are arc conditions (current, frequency, duration, etc.), electrode conditions (material, gap length, etc.) and container conditions (shape, dimensions, etc.). The calculation results of maximum pressure rise have a good agreement with the experimental conditions.

報告書年度

2009

発行年月

2010/05

報告者

担当氏名所属

岩田 幹正

電力技術研究所 高エネルギー領域

田中 慎一

電力技術研究所 高エネルギー領域

宮城 吏

電力技術研究所 高エネルギー領域

大高 聡也

電力技術研究所 高エネルギー領域

田所 兼

電力技術研究所 高エネルギー領域

天川 正士

電力技術研究所 高エネルギー領域

合田 豊

電力技術研究所 大電力試験所

Kittipong Anantavani

アーヘン工科大学

Gerhard J. Pietsch

アーヘン工科大学

キーワード

和文英文
大電流 High current
アーク Arc
圧力上昇 Pressure rise
密閉容器 Closed container
シミュレーション Simulation
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