電力中央研究所

報告書「電力中央研究所報告」は当研究所の研究成果を取りまとめた刊行物として、昭和28年より発行されております。 一部の報告書はPDF形式で全文をダウンロードすることができます。

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電力中央研究所 報告書(電力中央研究所報告)

報告書データベース 詳細情報


報告書番号

H08021

タイトル(和文)

FDTD法を用いた急峻波雷電流に対する配電線雷サージ解析

タイトル(英文)

Lightning Surge Analysis of a Distribution Line for Lightning Currents with Steep Wavefront Duration Using the FDTD Method

概要 (図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております)

6.6 kV高圧配電線の雷害対策の対象は誘導雷から直撃雷に移行してきている。これまでの観測結果より波頭部に急峻な立ち上がりを有する雷電流が配電線に流入することが想定されるが,EMTP(Electro-Magnetic Transients Program)に代表される従来の電気回路論に基づく手法では,雷電流の急峻な部分により発生する短時間領域の雷過電圧波形を再現することができない。このため,マクスウェル方程式を直接数値的に解く数値電磁界解析手法の適用が有効な手段として考えられる。しかし,配電線直撃雷に対する数値電磁界解析の適用性についてはこれまでに十分な検討がされていない。
本報告では,先ず,筆者等が配電線の縮小モデルを用いて電柱雷撃を想定して行ったサージ実験を数値電磁界解析手法の1つであるFDTD法(Finite Difference Time Domain Method) により再現した。配電線近傍の空間分割を小さく,その他を大きく設定することにより,計算負荷を低減しつつ解析空間に比べて構成要素のサイズが小さい配電線を詳細に模擬した。計算結果は実測結果と良く一致しており,FDTD法の配電線直撃雷サージ解析への適用が十分に可能であることを検証した。次に,FDTD法を用いて,実際の雷撃に近い状況を模擬した雷サージ解析を行い,実規模配電線の雷サージ特性を把握するとともに, FDTD法による配電線雷サージ解析が適用上有効となる条件を明らかとした。本解析では,これまでの配電線雷サージ解析では無視あるいは簡略化されていた①電柱や金物類の構造,②大地抵抗率,③光速の約1/3といわれる帰還雷撃の進展速度,を考慮している。

概要 (英文)

Recently, numerical electromagnetic field computation methods, which solve Maxwell's equations, have become a practical choice for the lightning surge analysis of power systems. Studies of lightning surge response of a transmission tower and lightning-induced voltages on a distribution line have already been carried out using the numerical electromagnetic field computation methods. However, a direct lightning stroke to a distribution line has not yet been studied.
The authors have previously carried out pulse tests using a reduced-scale distribution line model which simulates the direct lightning stroke to a distribution line. In this report, first, the pulse test results are simulated using the FDTD (Finite Difference Time Domain) method which is one of the numerical electromagnetic field computation methods, and comparisons are shown to validate the application of the FDTD method. Secondly, we present lightning surge characteristics of an actual-scale distribution line obtained by the FDTD method. The FDTD simulation takes into account the following items: (i) detailed structure of the distribution line, (ii) resistivity of the ground soil; (iii) propagation speed of the lightning return stroke.

報告書年度

2008

発行年月

2009/06

報告者

担当氏名所属

松浦 進

電力技術研究所 高電圧・電磁環境領域

立松 明芳

電力技術研究所 高電圧・電磁環境領域

野田 琢

電力技術研究所 高電圧・電磁環境領域

横山 茂

電力技術研究所

キーワード

和文英文
配電線 Distribution lines
直撃雷 Direct lightning stroke
雷サージ解析 Lightning surge analysis
FDTD法 FDTD method
波頭長 Wavefront duration
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