報告書番号

H06018

タイトル（和文）

雷撃による風車ブレードの破損様相とその保護手法の効果の基礎的検討

タイトル（英文）

Study on Lightning Outage Mechanism of Wind Turbine Blades and Evaluation of Lightning Protection Methods for Them

概要 （図表や脚注は「報告書全文」に掲載しております）

当所塩原実験場の高電圧インパルス電圧発生装置を用いて，絶縁物のみと、レセプタ付きの2種類の模擬風車ブレードへの放電実験を行い，下記の定性的傾向を明らかにした。
(1)表面が劣化や汚損のない状態では、絶縁ブレードは、雷撃に対して気中と同様な絶縁物の特性をもつが、塩分が付着すると、沿面放電しやすくなり、絶縁の効果を大きくは期待できなくなる.
(2)絶縁ブレード，円形の小型チップレセプタ（半径２cm程度）いずれの場合でも，電極位置とブレードの位置関係により絶縁物を貫通してブレード内に放電が侵入する場合がある。
(3) ブレードの前縁と後縁では，後縁が貫通しやすい。 これは後縁側の絶縁厚さが薄いことによる。
(4) 絶縁の貫通にいたらないまでも，レセプタと電極の位置によっては，絶縁部を沿面放電してレセプタと電極間で放電が生じる現象が、円形の小型チップレセプタの場合でも，ブレード先端部を帽子状に覆う先端レセプタの場合でも生じた。この場合でも部分的なブレードの焼損，破損が生じることがある。
以上の基礎的実験結果から，今後以下の研究を優先的に進めるべきであることを示した。
(1)放電のブレード内部貫通の可能性に大きな影響を与えるブレード絶縁物の材質や厚みの選定手法を明らかにする。
(2)雷放電リーダ先端とブレード（レセプタ）の位置関係は、ブレード内部への放電貫通の可能性に大きな影響を与えるので、ブレードが回転していることを考慮にいれて統計的に被害の可能性を推定する。

概要 （英文）

Lightning attachment experiments using 3m blades samples were conducted to study the lightning damage and effectiveness of various types of protection techniques employed for wind turbine
blades.Regarding non-conductive blade, creeping discharge occurred frequently in polluted condition,and sometimes penetrative destruction was also observed.
In the case of horizontally arranged blades with a single-receptor and a down conductor, discharge frequently penetrated the blade. As vertically and obliquely arranged blade involved
the risk of being damaged at edge of the blade since the discharge progressed on the surface of
the blade to the receptor ,it is important to find the testing methods of lightning attachment
in order to evaluate the actual performance of protective methods for wind turbines.
The blade covered with conducting-cap at the top of the blade showed relatively high protection
efficiency.

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